研究課題/領域番号 |
21H01709
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27030:触媒プロセスおよび資源化学プロセス関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
神谷 裕一 北海道大学, 地球環境科学研究院, 教授 (10374638)
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研究分担者 |
大友 亮一 北海道大学, 地球環境科学研究院, 准教授 (10776462)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 11,180千円 (直接経費: 8,600千円、間接経費: 2,580千円)
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キーワード | 硝酸態窒素 / イオン交換体 / 金微粒子 / 還元反応 / 地下水汚染 / アニオン交換樹脂 / 金ナノ粒子 / 硝酸イオン還元 / 汚染地下水 / 金属微粒子 / 汚染地下水浄化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、アニオン交換体と金属触媒の利点を併せ持つ金属微粒子を内包したアニオン交換体を開発し、硝酸イオンで汚染された地下水の浄化を試みる。 この金属微粒子内包アニオン交換体を使った地下水浄化システムは、オンサイト(家庭や井水取水場など)での汚染地下水からの硝酸イオン迅速除去と、オフサイト(再生工場)での二次廃水を生じないアニオン交換体の再生を可能にする。
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研究実績の概要 |
Auナノ粒子を導入したアニオン交換樹脂(Au-AER)にイオン交換反応によってNO3-を取り込み、さらに水素と接触させることでAu-AERの中でNO3-が還元分解されることを報告している。しかし、NO3-の分解率が低いという問題があった。そこで本年度は、NO3-の還元分解条件(温度と時間)を検討し、NO3-分解率の向上を目指した。反応温度の上昇に伴ってNO3-分解率は上昇し、80℃で最大となった。それ以上では逆にNO3-分解率が低下した。高温ではAu-AERの含水量が低下し、それによってAu-AER中でのNO3-の拡散が抑制され、反応が進まなくなったと考えた。反応温度を80℃に固定して反応時間の影響を調べたところ、5時間の反応時間で十分であることが確かめられた。このように反応条件の最適化によってNO3-分解率を向上させることに成功した。 さらにNO3-分解率を向上させるために、AuCl4-を還元してAER中にAuナノ粒子を発生させる条件を検討した。通常、イオン交換反応によってAuCl4-をAERに導入した後に、水素気流中で加熱してAuCl4-を還元しているが、驚くべきことにこのような還元処理がなくてもAuナノ粒子が発生していた。AERのアニオン交換サイトはOH基を有しており、これが還元剤となってAuCl4-を還元していることが確かめられた。水素中での加熱処理が不要であることは、触媒調製上の大きなメリットとなる。 続いて、NO3-に対するAu-AERのイオン交換特性を詳細に調べた。予想に反してAuの導入によって最大イオン交換容量が約20%増加した。また、このときNO3-に対する親和性(吸着力)は逆に30%程度低下した。これらのことは、Au-AERではAERが元来有するアニオン交換サイトに加えてAuナノ粒子の表面もNO3-の吸着サイトとして機能することを示唆する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初に設定した3つの目的のうち、1つ目(アニオン交換樹脂へのAu粒子の高密度、均質導入と実汚染地下水の浄化)については過去2年の研究によって概ね達成している。残りの2つについても、最終年(3年目)のうちに達成可能であると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
Auナノ粒子を導入したアニオン交換樹脂(Au-AER)の触媒(材料)開発は、ほぼ完了したと考えている。今後は、当初の計画に従いこの触媒を用いてNO3-で汚染された地下水の浄化を検討する。地下水にはNO3-に加えて様々な陰イオンが含まれるので、これらがAu-AERへのNO3-の取り込みとNO3-の還元分解に与える影響を調べる。 また、Au-AERに代わる新たな触媒として、層状複水酸化物(LDH)をアニオン交換体に用いた触媒(材料)開発も行う。LDHの中でFe3+を構成成分とするものはNO3-への選択性を示すことが知られており、この特性は実際の汚染地下水を浄化する際に利用できる。LDHの層間にAuナノ粒子を取り込む条件を詳細に検討し、高いNO3-除去能と高いNO3-還元分解活性を示すAu-LDHの開発を目指す。
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