研究課題/領域番号 |
21H01718
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27030:触媒プロセスおよび資源化学プロセス関連
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
山添 誠司 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (40510243)
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研究分担者 |
吉川 聡一 東京都立大学, 理学研究科, 助教 (80878322)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2021年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | 金属酸化物クラスター / 塩基触媒 / 超強塩基 / 耐水性 / 二酸化炭素活性化 / 酸塩基 / 二酸化炭素変換反応 / 二酸化炭素固定化反応 / 塩基触媒作用 / サイズ制御 / 精密合成 |
研究開始時の研究の概要 |
金属酸化物の酸・塩基発現原理解明やその強度制御は触媒化学における大きな課題の1つである。本研究では、我々が見出した「バルクでは酸触媒である金属酸化物の微細化による塩基触媒作用発現」を利用し,原子レベルでサイズ・構造・電子状態を制御した金属酸化物クラスターの酸・塩基性の評価を通じて、酸・塩基発現原理の解明やその強度制御法の開発に取り組む。さらに、HOMO近傍の内殻軌道の制御により塩基点とプロトン吸着サイトを分離することで、耐水性機能をもつ塩基触媒を開発する。得られた知見を基に、金属酸化物クラスターのフロンティア軌道の制御により、炭素-炭素結合形成反応に活性な革新的耐水性超強塩基触媒を創成する。
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研究成果の概要 |
本研究ではLindqvist構造のH2[M6O19]6-(M = Nb, Ta)を中心とした金属酸化物クラスターを合成し、その塩基性の起源解明を行った。H2[Nb6O19]6-ではそのブレンステッド塩基性能を調べたところ、pKa=26以上のプロトンを引き抜けるだけでなく、水存在下でも塩基強度が落ちなかったことから、金属酸化物初の耐水性超強塩基であることを見出した。また、同じ強塩基であるH2[Ta6O19]6-塩基触媒上でのCO2活性化機構を調べるため,高エネルギー分解蛍光収量X線吸収分光法により調べたところ、CO2吸着・活性化により触媒の構造も大きく変化していることを明らかにした.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
一般的に塩基触媒は水存在下では水から脱離したプロトンが塩基点を阻害するため、触媒活性が著しく低下する問題があった。本研究により、サイズ・組成が原子レベルで均一な金属酸化物クラスターの特異なブレンステッド塩基性が解明され、金属酸化物としては初の水耐性超強塩基触媒の開発に成功した。また、本金属酸化物クラスターはpKaが26以上の超強塩基であり、ポリ酸の分野で初となる超強塩基ポリ酸であることを証明した。また、ルイス塩基点での特異な二酸化炭素活性化機構も解明し、C-C結合形成反応を伴う触媒の開拓にも成功した。これら成果が触媒化学や材料科学の分野に与えるインパクトは高い。
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