研究課題/領域番号 |
21H01733
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27040:バイオ機能応用およびバイオプロセス工学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
細川 正人 早稲田大学, 理工学術院, 准教授(任期付) (60722981)
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研究分担者 |
西川 洋平 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究員 (90867277)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2023年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2022年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | シングルセル解析 / マイクロ流体デバイス / ゲノム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、1細胞ゲノミクスとマイクロ流体技術を活用して、環境試料に存在する微生物の素性を明らかにし、最適な培養法を設計する「ゲノムデータに基づく戦略的微生物培養プロセス」を提唱する。対象試料中の微生物種の推定と培養法の最適化には、未培養微生物の全ゲノム情報の網羅的取得が求められる。そこで、代表者が開発した網羅的なシングルセルゲノム解析技術(SAG-gel)を基盤技術として用い、未培養の環境微生物ゲノム情報をもとにした培養条件最適化を検証する。
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研究実績の概要 |
本研究では、1細胞ゲノミクスとマイクロ流体技術を活用して、環境試料に存在する微生物の素性を明らかにし、最適な培養法を設計する「ゲノムデータに基づく戦略的微生物培養プロセス」を開発する。「単離培養を繰り返し、新規・有用微生物のヒットを期待する」という古典的・労働集約的な方法に対して、我々が提唱する新法では、「新規・有用種の存在・特性を事前に検知し、培養条件を事前に最適化して対象物を釣り上げる」という合理的なアプローチを微生物培養に採用することを目的としている。対象試料中の微生物種の推定と培養法の最適化には、未培養微生物の全ゲノム情報の網羅的取得が求められる。そこで、代表者が開発した網羅的なシングルセルゲノム解析技術(SAG-gel)を基盤技術として用いる(Chijiiwa et al. Microbiome 2020)。 第2年度は、シングルセルゲノム解析技術で得られた未培養細菌ゲノムデータからファージ由来遺伝子を探索し、ファージが細菌を特異的に認識する分子を細胞標識や分離に活用する技術開発を進め、査読付き論文が受理された。実際に、本手法で口腔内細菌から連鎖球菌を単離し、培養できることを確認した。この方法は、従来濃縮や単離が難しかった微生物を対象とした分離・培養の実行が期待できる。また、細菌に対応したシングルセルトランスクリプトーム解析技術も予定通りに開発を進め論文を投稿した。最終年度は、これまで開発してきた技術を活用し、様々な微生物の特異的分離や多様な細菌集団中の遺伝子発現解析などを進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初目的としていたシングルセルゲノムデータを活用した細菌分離ツール開発のコンセプトを実証し、この論文が受理された(Hosokawa et al. J. Biosci. Bioeng. 2023)。またシングルセルトランスクリプトーム解析技術についても論文投稿中である。一方で、大目的である多様な微生物の単離培養の検証に関しては今後に課題を残している。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに確立したゲノムデータ取得技術を用いて蓄積したゲノムデータから、様々な分子標識ツールおよび培養条件を設計し、微生物集団からの単離培養を試みる。またシングルセルトランスクリプトーム解析技術の改良を進め、多様な微生物が存在する環境からアクティブな微生物を特定することを検証する。
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