研究課題/領域番号 |
21H01755
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28030:ナノ材料科学関連
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
岡田 健 東北大学, 工学研究科, 准教授 (90616385)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
16,510千円 (直接経費: 12,700千円、間接経費: 3,810千円)
2023年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2021年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
|
キーワード | グラフェン / 流動 / エネルギー / 固液界面 / 電気伝導 / 流動界面 / 動電 |
研究開始時の研究の概要 |
1兆個規模のセンサーによって様々な情報を収集・活用する将来像が想定されており、生活環境中の物理現象を利用したエネルギーハーベスティングの重要性が広く認識されている。本研究では液体流動と電子材料界面における動電現象に着目し、未だ科学的な理解が進んでいない物理描像全貌を明らかにすることで、発電だけでなく液体流動によって動作する革新的な電子デバイス創成を目的とする。 本研究は、電子材料微細加工・表面改質、及び物性解析に関する知見を活用し、界面の状態を操り・観ることで、流動によって誘起する界面動電現象の核を導き出す独創的な研究である。
|
研究実績の概要 |
本年度は当初の計画通りグラフェンをアッセンブリしたナノ流路を用いた①電気シグナルの計測、②その場ラマン測定、③流体解析を行った。①では、外部負荷抵抗を接続し、適切な負荷によって出力を最大化した条件で検証を行った結果、発生する起電力は流速に依存して線形に増加することがわかった。また、流路内に設置するグラフェンの位置に依存して電気シグナルの大きさとばらつき(分散)が変化することがわかった。そこで、流動存在下における②その場ラマン分光を実施しグラフェンの電子状態解析を行った。グラフェンの電子状態は、流速と流路内の設置位置に依存する流れの状態(上流から下流にかけて乱流から層流に遷移する)に影響を受け、低流速、および上流部ではp型のドーピング状態を示し、高流速、および下流部ではn型へシフトすることが明らかになった。このことは、流れの状態がグラフェンの電子状態を変化させることを意味しており、起電力発生メカニズムの一部を明らかにしたことになる。さらに、数値シミュレーションによって流体解析を行った結果、上述した流動状態の遷移を可視化すること成功した。流体解析では、時間的、空間的な流動の発達過程も検証した。特に空間的な流れの状態は流路内において連続的に発達し、起電力の絶対値との相関解析によって起電力発生に有効な流れの状態を見い出すことに成功している。 さらに流動駆動型デバイスの検証を行い、グラフェンをチャネルとするトランジスタと同等のデバイス特性を得られる可能性を見い出している。このとき、ゲート電圧を印加する代わりにグラフェンを保持する基板の表面電位によって流れる電流を制御可能である。また、電解質溶液を用いることで電流と電圧を数倍まで増加させることが可能であることを実証した。 以上のように、当初の目的を概ね達成できたと考える。
|
現在までの達成度 (段落) |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
|