研究課題/領域番号 |
21H01756
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28030:ナノ材料科学関連
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研究機関 | 公立千歳科学技術大学 (2023) 東北大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
脇坂 聖憲 公立千歳科学技術大学, 理工学部, 准教授 (00786840)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
2021年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
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キーワード | 炭化鉄 / クラスター / 金属錯体 / 磁性 / 金属炭化物 / ナノ粒子 / 多核錯体 / サブナノ / ナノ磁性 / ナノ磁石 / グラファイト / 表面 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者はサブナノサイズの炭化鉄を世界で初めて合成した。驚くべきことに、これが室温でも保磁力が残る異常な磁性を示すことを発見した。通常は1 nmを切るサイズでは超常磁性のため極低温にしなければ磁石にならない。この磁気メカニズムを解明できれば超常磁性限界を打ち破るブレイクスルーになる。一方、少核クラスターの精密合成と磁気メカニズムに課題が残されている。そこで、本研究で炭化鉄クラスターの精密合成法を確立し、この特異的な磁性発現のメカニズムを明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究は強磁性体となる炭化鉄クラスターの精密合成法の確立と磁気メカニズムの解明を目的とする。さらに、この様な極めて小さな磁石の性質を理解する上で不可欠である量子の磁石として、単分子磁石、単イオン磁石、スピン量子ビットに関しても合成と磁気解明を行い、主に次の4つの成果を得た。(1)グラファイト性カーボン担体に担持した炭化鉄クラスターの磁気解明、(2)クエン酸配位子を用いたアニオン性多核錯体合成と磁気解明、(3)Co(II)及びCu(II)ドーピング型金属有機構造体の合成と量子磁性解明、(4)Cu(II)一次元鎖化合物の合成と量子磁性解明。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ハードディスクの心臓部である磁気記憶素子にはナノサイズの磁石が使われている。ナノ磁石1つ1つに0または 1の情報が保存されるため、磁石をより小さくすれば記憶密度と容量が向上する。しかしやっかいなことに、磁石 をナノレベルまで小さくすると超常磁性と呼ばれる磁気現象が現れ、室温ではもはや磁石として働かなくなってしま う。従来のナノ磁石よりもさらに小さいクラスター磁石を作ることができれば、次世代の超高密度磁気記憶素子として社会の発展に大きく貢献できる。本成果により炭化鉄とグラファイト担体の相互作用が磁力を増強する効果があることがわかり、今後のナノ磁石やクラスター磁石開発に資すると期待される。
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