研究課題/領域番号 |
21H01762
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28030:ナノ材料科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
草田 康平 京都大学, 白眉センター, 特定准教授 (50741857)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
2021年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
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キーワード | 多元素ナノ合金 / 触媒 / インフォマティクス / ハイエントロピー / ナノ合金 / 多元素 / 貴金属 / ナノ粒子 / 合金 |
研究開始時の研究の概要 |
本提案では、多変量解析を用いた効率的な材料探索手法を基軸として、5元素以上が等モル比程度で混合した新しい合金種であるハイエントロピー合金(High-entropy alloy: HEA)ナノ粒子の革新的触媒開発に挑戦する。さらに、前人未到の20種類以上の元素が原子レベルで混ざりあった超ハイエントロピー合金(Ultra HEA: UHEA)ナノ粒子の実現を目指す。本研究開発により、高活性と高耐久性を有した触媒の開発や、従来のナノ合金では達成されなかった複雑な反応ステップを介する高難度反応を促進する触媒開発が行えると期待される。
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研究実績の概要 |
本提案では、多変量解析を用いた効率的な材料探索手法を基軸として、5元素以上が等モル比程度で混合した新しい合金種であるハイエントロピー合金(Highentropy alloy: HEA)ナノ粒子の革新的触媒開発に挑戦する。さらに、前人未到の20種類以上の元素が原子レベルで混ざりあった超ハイエントロピー合金(Ultra HEA: UHEA)ナノ粒子の実現を目指す。本研究開発により、高活性と高耐久性を有した触媒の開発や、従来のナノ合金では達成されなかった複雑な反応ステップを介する高難度反応を促進する触媒開発が行えると期待される。本年度は研究代表者が既に開発した、Ru、Rh、Pd、Ir、Ptの5元素から成る白金族HEAナノ合金(PGM-HEA)が高活性を示している水素発生反応を用いて、多変量解析を用いたPGM-HEA 触媒開発に着手した。具体的な方法としては、まず乱数により金属組成を振ったPGM-HEAを合成し、同定・触媒活性評価を行った。得られた結果を用いて、触媒活性に対してどのような因子が影響を与えているのかを、組成・粒径・合成条件等、実験で得られる数値をパラメータ化したものを説明変数とし、触媒活性を目的変数として、重回帰分析や主成分分析を通して、最適な構造を有するHEA触媒を開発に取り組んだ。本年度は、水素発生反応触媒として、多変量解析で得たモデルを用いた仮想実験によりPGM-HEAの組成最適化を行い、実際に合成することで高活性なPGM-HEA触媒を得ることに成功した。また、より多元素を含んだUHEA NPsの合成も並行して行った結果、合成法を検討して15元素程度まで固溶させることに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画通り、様々な金属組成のPGM-HEA触媒の合成法の確立に成功し、多数のPGM-HEA触媒を合成するとともに、その水素発生反応における触媒活性を評価し、機械学習を用いることでその組成最適化に順調に成功している。またその外挿探索にも着手することができた。 また、15元素の固溶にも成功しており、それぞれの結果で論文化が想定以上に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
今後はこれまでに機械学習で組成最適化に成功した水素発生反応に加え、他の反応系や他の合金系に展開していく。また、得られた結果を用いて、触媒活性に対してどのような因子が影響を与えているのかを、データ科学を通して考察し、触媒メカニズムを解明するため、オペランド分光実験などを軸に解析する。得られた結果は再び触媒設計に活用し、新たな元素を加える等改良を重ね、実験を基に多変量解析を用いた触媒開発手法の基盤を築く。 さらに、上記計画と並行して、より多種の元素が原子レベルで混合したUHEA ナノ粒子の合成も継続する。よい試料が得られた場合、多元素且つナノ粒子であるため、粒子一つに含まれる各構成元素の原子数が少なく、分析も困難であることが予想されるが、放射光を用いたX 線回折やX 線吸収分光、X 線光電子分光、原子分解能走査透過型電子顕微鏡など多様な最先端分析手法を用いて、その結晶構造や電子状態を詳細に解析する。
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