研究課題/領域番号 |
21H01764
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28030:ナノ材料科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
佐藤 和久 大阪大学, 超高圧電子顕微鏡センター, 准教授 (70314424)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
2021年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
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キーワード | 励起プロセス / 内殻電子励起 / オージェ崩壊 / 界面固相反応 / 金属シリサイド / 微細パターニング / 電子顕微鏡 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、励起プロセスを利用した新しい界面固相反応を開拓する。この新提案手法では、内殻電子励起によりメタロイド酸化物を分解し、金属/酸化物界面に金属シリサイドなどの化合物相を形成させることが原理的に可能である。上記プロセスを、広範な用途が期待されるβ-FeSi2の室温創製に応用し、内殻電子励起に起因した個々の化学結合切断・原子移動とマクロな固相反応との相関に着目して、反応メカニズムを材料科学的な観点で明らかにする。さらに、反応領域選択性を活かして、微細パターニングへの応用や巨大格子歪導入によるバンドエンジニアリングの可能性を検証する。
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研究成果の概要 |
低エネルギー電子照射を利用して、室温及び90 KにてFe/アモルファスSiOx界面に三方晶Fe2Siを形成した。75 keV電子照射によりアモルファスSiOxが解離し、生成したSiがFeとの固相反応によりFe2Siを形成したと考えられる。電子エネルギー75 keVはFeとSiの弾き出し損傷閾値以下であることから、a-SiOxの解離は電子励起効果に起因する。また、原子移動には熱エネルギーの寄与が含まれる。a-SiO2と比較して、a-SiOxの方が電子励起によりSi-O結合が容易に解離する傾向を示す結果が得られた。本手法では、電子照射領域に選択的にFe2Siを室温以下で形成することが可能である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
固相反応の平衡は、温度や構成成分の活量など状態変数により決定され、反応が進行する方向は自由エネルギー変化の符号により決定される。そのため、最適な触媒の活用や高温・高圧環境の利用など、種々の材料創製プロセスが確立されてきた。しかしながら、励起プロセスを利用することにより、熱処理では進行しない固相反応が室温で進行する場合がある。すなわち、電子励起を用いて実現可能な無機固相反応の対象を拡大することが可能である。本プロセスでは、反応領域(=電子照射領域)をナノからサブミリメートルまでマルチスケールに選択し、空間的に自在に化合物を選択的に形成できる点もユニークな特徴であり、広範な波及効果が期待される。
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