研究課題/領域番号 |
21H01769
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28030:ナノ材料科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
谷口 貴章 国立研究開発法人物質・材料研究機構, ナノアーキテクトニクス材料研究センター, 主幹研究員 (50583415)
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研究分担者 |
横井 裕之 熊本大学, 産業ナノマテリアル研究所, 准教授 (50358305)
馬 仁志 国立研究開発法人物質・材料研究機構, ナノアーキテクトニクス材料研究センター, グループリーダー (90391218)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2021年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
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キーワード | ナノシート / 層状酸化物 / ラマン分光 / 第一原理計算 / 酸化物ナノシート / ラマン散乱 |
研究開始時の研究の概要 |
酸化物ナノシートの結晶構造解析には放射光X線回折と透過型顕微鏡観察が用いられてきたが、軽元素である酸素原子の位置情報を得ることが困難であった。そのため、真の結晶構造を明らかにすることができず、材料性能について“極限薄さ”という一側面のみからでしか説明されてこなかった。本研究では、この問題を解決するため、ラマン分光と第一原理計算を連携した構造解析技術を開拓する。本研究の遂行により、酸化物ナノシートの結晶構造、電子状態、機能性の相関性が明らかにされると共に、機能性の予測が可能となるであろう。
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研究成果の概要 |
層状酸化物の剥離により得られる酸化物ナノシートは新たな機能性ナノ材料として国内外で研究開発が進められているが、剥離による結晶構造や電子状態の変化は明らかにされていなかった。本研究では酸化物ナノシートを対象としたラマン分光、及び第一原理計算技術を発展させることで、上記課題の解決を図った。酸化物ナノシートからラマンスペクトルを測定する手法を開発するとともに、第一原理計算による構造モデリングを検討した。その結果、実験、理論計算において整合性のあるラマンスペクトルを得るとともに、合理的なナノシートの構造モデル、及び電子状態を提案することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
グラフェンを皮切りに、遷移金属カルコゲナイド、フォスフォレン等、新原子層が見出され、世界が驚くような新物性や既存材料を凌駕した高機能性が報告され続けている。ラマン分光はこれらの2次元物質の構造や電子状態を評価するうえで欠かせない研究手法となっている。一方、酸化物ナノシートについてはラマン散乱についての論文は報告されていない。 今後とも酸化物ナノシート関連の材料開発は世界中で活発に行われると予想されるが、本研究を開始点としてラマン分光が基幹評価技術として発展することは間違いない。さらに、我々が提示した第一原理計算による構造モデリングは、理論研究を加速させると期待される。
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