研究課題/領域番号 |
21H01794
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29010:応用物性関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 (2023) 東京大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
横内 智行 国立研究開発法人理化学研究所, 創発物性科学研究センター, ユニットリーダー (20823389)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2021年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
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キーワード | スキルミオン / ニューロモルフィックデバイス / 非相反伝導現象 / 物理リザバー / リザバーコンピューティング / 電流誘起スピンダイナミクス / ニューロモルフィック / 非線形ダイナミクス / ニューラルネットワーク / スピントロニクス / トポロジー |
研究開始時の研究の概要 |
近年、人工ニューラルネットワークを用いた機械学習が様々なタスクで高い性能を示すことが明らかになり、学術と経済の両面から重要性が高まっている。一方従来のデバイスでは消費電力や速度の面で課題が多い。その解決のため、物理系における非線形応答を用いるニューロモルフィックデバイスの研究が行われている。本研究では、「スキルミオン」と呼ばれるトポロジカル磁気構造に着目し、その非線形応答の特性を解明するとともに、実際にデバイスを作成し、計算性能を評価する。そして、スキルミオンのもつ物理特性と性能の関係を系統的に調べ、ニューロモルフィックデバイスの高性能化・実用化へむけた新たな指針を得ることを目指す。
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研究成果の概要 |
近年、人工ニューラルネットワーク(ANN)を用いた機械学習の重要性が急速に増している。一方その実行に用いられる従来型素子には消費電力が大きいといった課題がある。そこで、ANNの実行に特化した素子(人工知能素子)の研究が進められており、その有望な候補の一つとして、スキルミオンがある。そこで本研究では、スキルミオンを用いた人工知能素子の作成と性能評価を行い、その高性能化を目指した。具体的には、スキルミオンを用いた物理リザバー素子の性能評価を行い、手書き数字識別で高い認識率を達成した。また、反強磁性体やワイル半金属における非線形応答の観測も行い、人工知能素子への応用可能性を探った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の社会的意義は、エネルギー効率の高い高性能人工知能の実現につながる可能性がある点である。従来のCPUやGPUは消費電力が大きく、メモリ機能がないため効率が低下する。スキルミオンを用いた人工知能素子は低消費電力で操作可能であり、メモリ効果を持つため計算効率を大幅に向上させる可能性を秘めている。また、スキルミオンの粒子性によりナノスケールで多数のノード形成が容易で、高密度集積回路が実現可能という利点もある。また、本研究で観測した反強磁性体やワイル半金属における非線形応答は、人工知能素子の新たな動作原理として発展してく可能性を秘めている。
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