研究課題/領域番号 |
21H01805
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29020:薄膜および表面界面物性関連
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
小澤 健一 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 准教授 (00282822)
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研究分担者 |
山田 洋一 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (20435598)
相浦 義弘 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 研究グループ長 (80356328)
間瀬 一彦 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (40241244)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2023年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2022年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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キーワード | 光触媒 / キャリアフロー / 顕微測定 / 軟X線分光 / 可視化 / 多変量解析 / バンド傾斜 / 顕微分光 / 主成分分析 / 表面物性の可視化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,光吸収により光触媒表面に発生する光励起キャリアの表面内の流れ(フロー)を,表面の電子構造を人工的に改変することで制御し,高い光触媒活性が発現する仕組みを明らかにする。キャリアフローや活性の評価はマイクロメートルの空間分解能を持つ顕微電子分光により行い,光触媒活性と電子構造,元素組成,分子吸着活性の表面分布を可視化し,多量変数解析によりこれらの相関を取ることで活性発現機構の解明につなげる。
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研究実績の概要 |
本研究は,二酸化チタン表面の構造的,組成的な不均一性を利用して表面水平方向のバンドベンディングを導入して,光励起エキシトン分離とフリーキャリア密度の向上により光触媒活性の向上につなげることを目指したものである。 本研究は,放射光を用いた顕微光電子分光測定技術の確立,アナターゼ型二酸化チタン結晶のエッジの評価,アナターゼ/ルチル接合界面の評価,およびアナターゼ型二酸化チタン表面へのアルカリ金属ドープによるバンドベンディングの導入の4つのフェーズで進めた。 顕微光電子分光測定技術の確立では,高精密マニピュレータ開発とスキャン測定の高速化を進めた。結晶エッジの評価では,アナターゼ型二酸化チタンの(001)面と(101)面が接する結晶エッジを作成し,結合エネルギーが異なる表面価電子準位がエッジで不連続に接続してポテンシャル勾配を作ることを確認した。アナターゼ/ルチル接合界面の評価では,アナターゼ結晶表面の一部をレーザー加熱でルチル相に転移させて2相接合界面を作成した。この界面でもポテンシャル勾配が形成されていることを確認した。アルカリ金属ドープでは,ドープ領域と清浄領域の界面でポテンシャル勾配の形成を確認した。結晶エッジ,相界面,およびドープ/非ドープ領域の光触媒活性を評価した結果,相界面とドープ/非ドープ領域での活性が高くなった。これらの領域では,光励起エキシトンの解離が促進されるほどに急峻なポテンシャル勾配ができたため活性が高くなったと結論付けた。 本研究から,二酸化チタン表面に人為的に急峻なポテンシャル勾配を導入することが可能であり,これが光励起エキシトンの解離を促進して高活性化を実現できることが分かった。ここで見出された表面改質による光触媒の高活性化の技術が,今後の光触媒開発に取り入れることが期待される。
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現在までの達成度 (段落) |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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