研究課題
基盤研究(B)
最先端のSPM技術を駆使し、欠陥の状態が制御されている機能コア清浄表面が、外場と相互作用した場合にどのように働くのかを、原子からサブミクロンレベルで系統的に明らかにする。具体的には、(1)欠陥や構造を制御した機能コア清浄表面の実現を行う。次に、(2)原子分解能による機能コア清浄表面の原子レベル解析を原子分解能NC-AFMおよびSTMを用いて行う。さらに、(3)外場印加型高速AFMによる機能コアダイナミクス観察を、上記で測定した機能コア清浄表面が、反応場においてどのような機能を示すのかを、ビデオレートで動作する高速AFMを用いて測定する。
金を担持したアナターゼTiO2表面において近接場光学顕微鏡測定を行った。その結果、近クラスタからは近接場光からの応答が少ないことがわかった。クラスタがおおきくなるにつれてその傾向が強いことがわかった。これは金属が光沢があるという直感的な理解とは逆の傾向である。この結果をより詳細に調べるために、近接場光学顕微鏡のポンププローブ法によって周辺チャージの測定を行ったが、応答を得ることができなかった。実験系を再度検討し、引き続き実験を進めることとした。高速原子間力顕微鏡を用いて光触媒効果に関して、金ナノ粒子が担持されているTiO2表面において、紫外線によって脂質が分解されている過程をナノメートルスケールで観察することに成功した。金がない状態に比べて脂質の分解が高速に起こっていることを確認した。また、同様の実験を金が担持されているAl2O3(0001)面で行った場合、脂質の分解は確認されなかった。これは、TiO2表面では金ナノ粒子に励起されたプラズモンによって分解されているのではなく、助触媒の効果によって分解が促進されていることをイメージングしていることを示している。Au上のTiO2表面は紫外線を照射すると、Auそのものも消失するのがわかってきた。一方で、紫外線を照射する前に700度で焼成すると、紫外線を照射しても消失することはなく、AuとTiO2基板のさらなる調査が必要であることがわかってきた。また、TiO2表面の原子サイトにおいて物性計測するための新しい技術を開発した。AIを駆使し、熱ドリフトと探針先端のゆらぎを補正しながら、ここの原子を選択してI-V曲線を測定することに成功した。表面の不要な吸着物を避けながらあらかじめ狙っている原子状での計測が可能になった。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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