研究課題/領域番号 |
21H01822
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29030:応用物理一般関連
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研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
柴田 恭幸 東京海洋大学, 学術研究院, 助教 (30758264)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2023年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2022年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2021年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
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キーワード | 三次電池 / エネルギーハーベスティング / プルシャンブルー類似体 / 相転移 / 紫外-可視吸収スペクトル / イオン拡散イメージング / 放射光X線 / 赤外吸収スペクトル |
研究開始時の研究の概要 |
二次電池技術を転用した「三次電池」は、既存の熱電変換と異なり、環境の温度変化で蓄発電するデバイスである。この三次電池電極に、相転移を示す電極材料を用いることで、40K程度の温度変化でも、100mV超の巨大熱起電力が得られることがわかっている。しかし、この三次電池は昇温・降温過程の相転移に対し、理想通り電位が変化しない問題点があることも報告されている。 本申請では、X線構造解析や固体スペクトロスコピー法などを用いて微細構造の状態や電位と電子状態の相関を評価し、温度変化に伴う相転移と電位変化応答の不一致の原因を解明することを目指す。
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研究実績の概要 |
1.三次電池は環境の温度変化で蓄発電するデバイスである。この電池の性能指標は、熱起電力(VTB)と放電容量(QTB)である。VTB は、正極(α+)と負極(α-)の酸化還元電位の温度係数の差で決定される。他方、放電曲線の幾何学より、放電容量はQTB = -VTB/[β+/r+β-/(1-r)]で表すことができる。ここで、β+(β-)と r は正極(負極)の酸化還元電位の容量微分と正極活物質の重量比である。本研究では、三次電池電極材料であるプルシャンブルー類似体(PBA)の内、Co-PBAとNi-PBAを用いた三次電池の温度差30度における単位活物質重量当たりの電流値による出力電圧と放電容量の変化を45℃の環境下で調べた。その結果、VTBは電池の内部抵抗を反映して、電流値の増大とともに減少し、QTBは電圧降下のみを考慮して予想される値よりもわずかに小さくなることがわかった。これは、正負極の放電曲線が印加電流値により変形することを考慮することで説明できることを明らかとした。本成果は、原著論文として報告した。
2.本研究では、Co-PBA薄膜とNi-PBA薄膜を物理的に接合した無電解質三次電池の性能を調べた。その結果、5℃から15℃の間の熱サイクルにおいて観測される熱起電力VTBは従来の電解液を用いた三次電池と同等の値を示すことが明らかとなった。本成果は、原著論文として報告した。
3.本研究では、三次電池に使用する電解液を従来のナトリウム系電解液からリチウム系電解液に置き換え、電極材料であるPBA中のイオンサイトを占有するイオンをナトリウムイオンからリチウムイオンに置き換えた時に、酸化還元電位の温度係数がどのように変化するかを調べた。その結果、PBA中のイオンサイトを占有するイオンをリチウムイオンにすることで、ナトリウムイオン時よりも温度係数の絶対値が増大することを発見した。
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現在までの達成度 (段落) |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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