研究課題/領域番号 |
21H01828
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分30010:結晶工学関連
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
加藤 正史 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80362317)
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研究分担者 |
潘 振華 中央大学, 理工学部, 助教 (90870551)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
16,250千円 (直接経費: 12,500千円、間接経費: 3,750千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 10,400千円 (直接経費: 8,000千円、間接経費: 2,400千円)
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キーワード | SrTiO3 / キャリア再結合 / 表面 / 光触媒 / 酸化物 / キャリア / 再結合 / 結晶 |
研究開始時の研究の概要 |
太陽光を化学的エネルギーに変換する人工光合成技術を実現する一つの有力な手法として、半導体光触媒を用いた水分解反応が提案されている。特に近年、SrTiO3をベースとした高効率水分解光触媒が発表されている。その一方で、光触媒の外部量子効率に影響を与える主要なファクターである光励起キャリアの振る舞いについては、定量的な実験値の報告が少なく、実質的にシミュレーションによる予測に頼っているのが現状である。そこで本研究では我々がSiCで定量化してきた内部と表面の再結合速度分離評価技術により、様々な面方位のSrTiO3での表面再結合速度を定量し、SrTiO3光触媒の最適設計に資する。
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研究成果の概要 |
本研究においてSrTiO3の表面再結合速度の定量化に成功し、バルク再結合との分離も可能とした。さらに斜め研磨SrTiO3を利用することで表面再結合速度およびバルクキャリア寿命の高精度化にも成功した。まあたCoOx助触媒担持がSrTiO3表面再結合に影響を与えないことも明らかにするとともに、一方で加工により発生する転位は表面にトラップを形成し、光触媒性能を下げることを確認した。以上のように SrTiO3光触媒のエネルギー変換効率を向上させる材料設計に必要な、表面と内部の再結合を切り分けて定量化するという目標に対して、十分な成果が得られたと考えている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
光触媒は太陽光を水素などのエネルギー資源に変換可能な材料であり、将来的に社会へ再生可能エネルギーを供給するキーマテリアルである。本研究では光触媒として実績のあるSrTiO3を対象に、光触媒構造を最適化するための表面・バルク再結合を定量した。これは従来の光触媒設計において、検討されてこなかった物性値であり、半導体物理を光触媒に適用し学理を解明したという学術的意義を有している。また上記のように、将来社会へのエネルギー供給技術としての可能性もある成果であり、十分な社会的意義を示すものである。
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