研究課題/領域番号 |
21H01829
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分30010:結晶工学関連
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
富永 依里子 広島大学, 先進理工系科学研究科(先), 准教授 (40634936)
|
研究分担者 |
上殿 明良 筑波大学, 数理物質系, 教授 (20213374)
石川 史太郎 北海道大学, 量子集積エレクトロニクス研究センター, 教授 (60456994)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
|
キーワード | Bi系III-V族半導体半金属混晶 / 分子線エピタキシー法 / 低温成長 / 結晶欠陥 / 陽電子消滅法 / Bi系III-V族半導体混晶 |
研究開始時の研究の概要 |
GaAsBiやInAsBiといったビスマス (Bi) 系III-V族半導体混晶は、GaAs、InAs各母体結晶にBi原子をわずか数パーセント取り込むだけで、禁制帯幅が急激に小さくなる、価電子帯上端が高エネルギーシフトする、禁制帯幅の温度依存性が低減するという特異な物性を発現する。本研究では、分子線エピタキシー法による当該半導体混晶の400℃以下での低温結晶成長による量子構造を開拓する。低温成長とBi原子の存在は、当該半導体混晶の点欠陥形成にどのように影響するのかという学術的問いを基軸に量子構造内の点欠陥密度の制御を可能にし、上記3つの物性を最大限活用したデバイス応用基盤を助成期間で確立する。
|
研究成果の概要 |
本研究期間において、希釈Bi系III-V族半導体のMBE法を用いた低温成長条件最適化を進め、その成長モデルを検討し、低温成長であっても、単結晶エピタキシャル薄膜が得られる成長条件が存在することを明らかにした。多様な結晶性評価手法により、アンチサイト型・空孔型両点欠陥の当該半導体結晶内における存在が示唆された。これらの結果は、光通信帯光源が利用可能なテラヘルツ波発生検出用光伝導アンテナの開発につながるものである。他方、動作特性が温度に依存しない光通信用新規半導体レーザーの開発に向け、InAsBi量子ドットの作製方法の確立を進め、新たな積層InAsBi量子ドットの作製方法を見出すことができた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
2030年に実用開始が目標に設定されている第6世代移動通信システム(6G)においては、従来よりも低消費電力や低コストを実現しながら、光通信全体の更なる大容量化やサブテラヘルツ帯以上の高周波帯域に対応した様々なデバイスが求められる。本研究が対象としているBi系III-V族半導体はこうした光通信・無線通信で求められる光学・テラヘルツ両デバイスに応用できる可能性を秘めており、本研究成果はデバイス開発に向けた結晶を得る指針を見出したものと位置付けることができる。
|