研究課題/領域番号 |
21H01840
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分30020:光工学および光量子科学関連
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
浅原 彰文 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 助教 (00770091)
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研究分担者 |
美濃島 薫 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (20358112)
杉田 篤史 静岡大学, 工学部, 教授 (20334956)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2021年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
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キーワード | 光コム / デュアルコム分光 / 光渦 / メタマテリアル / 光周波数コム / 光物性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では「光コム技術を駆使した光渦物性研究の開拓」に挑戦する.光渦物性研究は,必要な関連技術が未だ完全に確立されていない新しい研究分野である.我々は,光コム分光における優れた位相検出性を活用することによって,光渦の時空間位相を含めた詳細かつ包括的な光波評価を可能にする.さらに,メタマテリアル技術を用いた光渦デバイスの光学応答評価に適用することで,開発技術の光渦物性評価システムとしての有用性を実証する.本研究で得られる知見は,新奇光渦デバイスの開発や,光渦が関連する特異な電子物性やスピントロニクス現象の解明など,幅広い分野における発展へ繋がると期待される.
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研究実績の概要 |
本研究では,光渦物性を研究するための基盤測定技術を,光コム(光周波数コム)技術を駆使して開発する.さらに,光渦応答特性を有する物質として,空間的な構造を有する「光渦メタマテリアル試料」を作製および評価することで,この新たな分光技術の立証を狙う. 実験においては,代表的なメタマテリアル構造のひとつとしてよく知られるスプリットリング共振器(Sprit-ring resonator: SRR)試料を測定対象として,研究を進めた.リソグラフィ技術を用いて,前年度に作製を開始したSRR試料について,本年度では試料の形状パラメータの改良を施し,我々の使用する近赤外帯域の光コム分光システムにおいて,より明瞭なスペクトル構造を取得可能な試料の作製および基礎評価を行った.また,対称性の崩れたSRR構造における,透過光の位相制御に関する数値シミュレーション環境の構築や基礎検討により,空間的な光位相制御が可能な光渦メタマテリアル構造の設計を進めた. さらに,将来的に光渦分光において測定感度向上に寄与すると期待される,新たな光波変調技術として,光コムの高い位相制御性を活用した「光渦の空間位相構造のスイッチング技術」を考案し,その基礎的な原理実証実験に成功した.これにより,光コムの特性を生かしたユニークな光の横モード制御手法を示すことができた. 以上の成果について,応用物理学会やICO国際会議,CLEO国際会議など,複数の主要な国内・国際会議において学会発表等の成果報告を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
測定対象であるSRR試料について,形状パラメータを探索することで,我々の使用する近赤外帯域の光コム分光システムにおいて,より明瞭なスペクトル構造を取得可能な試料作製の指針に関する詳細な知見が得られた.また,対称性の崩れたSRR構造における数値シミュレーションの環境整備により,空間的な光位相制御が可能な光渦メタマテリアルの設計方針を得た.以上により,次年度のさらなる発展に向けた技術進展を得た. さらに,新たな光波変調技術として,光コムの高い位相制御性を活用した「光渦の空間位相構造のスイッチング技術」を考案し,原理実証を行った.本技術は当初予定していなかったが,光コム技術を第一原理よりとらえたことにより発想された新たな技術応用である.将来的に,新興的な光渦分光分野において,測定感度向上などに寄与する基盤技術として期待される. 以上の成果を得たことから,当初の計画以上に進展していると評価した.
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今後の研究の推進方策 |
次年度は,これまでに本プロジェクトにおける基礎検討および実験によって得られてきたメタマテリアル試料作製の知見をベースとして,目的の試料である光渦メタマテリアルの具体的な作製および基礎評価を目指す.光渦メタマテリアル試料の形状パラメータに依存する透過光の位相変化を,FDTD数値シミュレーションによって定量的に推定し,実際の光渦メタマテリアル構造を作製する.さらに,作製した試料に対して,開発してきた空間敏感な光コム分光システムを適用し,マクロな光学物性評価の実証実験を試みる.また,新たに見出した光コムのコヒーレント制御性に基づく光渦スイッチング技術の高度化を並行して進め,光渦スイッチングのコントラストの定量性や位相安定性など,光波制御技術としての基礎定量評価を行う. そして,これらの研究より得られた結果についてまとめ,国内外の学会発表や論文発表等による成果報告を行う.
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