研究課題/領域番号 |
21H01845
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分30020:光工学および光量子科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
時田 茂樹 京都大学, 化学研究所, 教授 (20456825)
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研究分担者 |
岡崎 大樹 京都大学, 化学研究所, 助教 (50976925)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2021年度: 8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
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キーワード | レーザー / 中赤外 / レーザー加工 / カルコゲナイド / 微細加工 |
研究開始時の研究の概要 |
独自に開発した中赤外ファイバーレーザー(波長2.8μm)、および、中赤外超短パルスレーザー(波長4~5μm)の技術を発展させ、波長4~5μmの中赤外フェムト秒パルスを発生できる高出力・高効率・コンパクトなレーザー光源を世界に先駆けて実現する。また、この光源を用いて生体や樹脂などの軟材料の微細加工を実証する。本研究により産業・医療分野等へ向けた新しい微細加工技術を開発でき、広範な分野に革新をもたらすことができる。また、将来的に小型コヒーレントX線源などへ発展が見込まれ、中赤外レーザー光源の常識を変える引き金となる画期的な光源技術となることが期待される。
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研究実績の概要 |
固体レーザー技術の進展により、小型・高効率かつ信頼性の高い高出力レーザー光源が産業・医療・科学などの分野で実用に供されるようになった。レーザー光源への要求は益々高度化・多様化しており、高出力化、短パルス化、高効率化、新波長帯開発など、様々な研究開発が行われている。本研究の目的は、中赤外域における新波長帯レーザーの開拓とその応用実証である。 独自に開発した中赤外ファイバーレーザー(波長2.8μm)、および、中赤外超短パルスレーザー(波長4~5μm)の技術を発展させ、波長4~5μmの中赤外フェムト秒パルスを発生できる高出力・高効率・コンパクトなレーザー光源の実現、ならびに、この光源を用いた樹脂などの軟材料の微細加工の実証を目的として目的として実験研究を実施している。 本研究により高出力・高効率・コンパクトなFe:ZnSeレーザーの基礎技術が確立すれば、4~5μm帯のレーザー光源の実用化が急速に進むことが期待される。産業、IoTを含む通信、医療、ヘルスケアなどの分野に、中赤外レーザーの多くの潜在的需要があると言われている。中でもセンシング用途では、分光計測、生体イメージング、物質特性分析、爆発物検知、顕微鏡分析、非破壊検査など、多様な用途がある。また、中赤外フェムト秒パルスの高強度化により、高次高調波によるコヒーレントXUV~軟X線光源への応用も可能になる。デスクトップサイズの小型コヒーレントX線源が実用化できれば、X線光学の飛躍的な発展が期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
高出力・高効率・コンパクトな中赤外フェムト秒レーザー光源の技術を確立するため、レーザーシステムの開発および応用実証を目指し、次の手順で段階的に研究を進めている。中赤外ファイバーレーザー(波長2.8μm)を励起光源として用いた4~5μm帯の中赤外レーザー光源として、①フェムト秒パルスレーザー発振器 (モード同期Fe:ZeSeレーザー発振器)、②ギガワット高出力フェムト秒パルスレーザーシステム (Fe:ZeSeレーザー増幅器)を開発することで、高出力・高効率・コンパクトな中赤外レーザー光源技術の確立を目指している。また、その光源を用いた③透明樹脂および生体組織のレーザー微細加工を実証することで、中赤外超短パルスレーザーの応用可能性を示すことを目指している。上記の研究計画のうち、本年度は①を実施したが、励起光源の不調により進捗がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
研究項目①~③のうち、①フェムト秒パルスレーザー発振器、および、②ギガワット高出力フェムト秒パルスレーザーシステムの開発を並行して実施することで、当初計画の通り研究期間終了までに③までを実施する予定である。
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