研究課題/領域番号 |
21H01850
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分30020:光工学および光量子科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
高橋 栄治 国立研究開発法人理化学研究所, 光量子工学研究センター, チームリーダー (80360577)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2022年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2021年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
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キーワード | 軟X線分光 / 超短パルスレーザー / アト秒光科学 / 量子エレクトロニクス / アト秒科学 / 数サイクルレーザー / アト秒パルス発生 / アト秒パルス |
研究開始時の研究の概要 |
軟 X 線分光学は大型放射光を利用するという手法の特性上,超高速分光やポンプ・プローブ計測を不得意としており,放射光から発せられる軟 X 線のパルス幅程度で測定時間分解能が制限される.本課題では申請者が独自開発してきた超短パルス光技術を融合することで強力なコヒーレント軟 X 線ビームを発生させ,軟 X 線分光の時間分解能をこれまでより 4 桁以上高いアト秒域に向上し,且つ単一ショット分光イメージングを実現することで,超高速軟X 線科学のみならずアト秒科学の新たな展開へとつなげる.
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研究成果の概要 |
単一ショット軟 X 線アト秒分光計測の実現を目指し,励起レーザーとなる数サイクルレーザーシステムの開発,及びコヒーレント軟 X 線発生研究を行った.開発したレーザーシステムはテラワット級の出力と,10 fs 以下のパルス幅を持ち,ピーク出力及びエネルギーにおいて世界最高性能を達成した.開発した中赤外レーザーを使用してアルゴンガス媒質からの軟 X 線高調波発生実験を行い,スペクトルの CEP (carrier-envelope phase) 依存性を計測すると共に,ハーフサイクルカットオフと呼ばれるスペクトル構造の確認を行った.さらに,ネオンガスを媒質として高出力軟 X 線高調波を実現した
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究から得られた成果より,シングルショットでの超高速軟 X 線分光計測の実現に目処がたった.結果,従来の放射光軟 X 線分光で取り扱う事が難しかった,フェムト秒以下の動的ダイナミクス,非可逆的な現象,ショット数が制限される測定を実施する事が可能となる.特に軟 X 線プローブ光の時間分解能がフェムト秒域にまで向上した事により,物質の化学結合状態,電子構造,バンド構造,磁気構造等の情報を高い時間分解能で理解することが可能になることから,関連する分野に大きな波及効果をもたらすと期待できる.
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