研究課題/領域番号 |
21H01855
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分31010:原子力工学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
斉藤 拓巳 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (90436543)
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研究分担者 |
青柳 登 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 先端基礎研究センター, 研究副主幹 (80446400)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 13,650千円 (直接経費: 10,500千円、間接経費: 3,150千円)
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キーワード | 先新第三紀堆積岩 / 付加体 / 収着 / 拡散 / 亀裂 / バリア |
研究開始時の研究の概要 |
先新第三紀堆積岩に対する放射性核種の収着・拡散挙動を評価し,亀裂近傍スケールの核種移行モデルを開発する.この目的のために,まず,岩試料の鉱物組成や亀裂・空隙構造等を評価する.そして,核種の収着挙動をバッチ法にて評価すると共に,分光手法を用い,収着種の化学形態分析を行う.さらに,核種の破過実験を行うことで,岩石部への核種の収着と拡散を評価する.これらの成果を統合することで,核種移行モデルを開発する.
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研究成果の概要 |
本研究では,付加体とよばれる先新第三紀堆積岩が持つ天然バリアとしての性能を収着と拡散の点から明らかにした.CsとEuの収着は粘土鉱物が担い,イオン交換と表面錯体反応で表すことができた.Csの拡散は,マトリクス部では小さく,一方,亀裂部位では大きくなった.また,いずれのケースでも,Csの拡散は,水の拡散よりも大きく,表面拡散の寄与が示唆された.一方,Iは,岩石への収着はないものの,拡散が見られず,陰イオン排除により,岩石細孔に侵入できないことが分かった.これらの結果は,付加体岩石のマトリクス部が核種に対して高い性能を有し,鉱物組成やその分布,亀裂ネットワークが核種の移行を支配すること示唆する.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで,我が国では,花崗岩のような結晶質な深成岩や軟岩である新第三紀堆積岩を対象にそのようなバリア性能の評価が行われてきた.しかし,我が国の深度1,000 mまでの地質環境の半分近くを占める重要な基盤岩であるより古い時代の堆積岩(先新第三紀堆積岩)の天然バリアとしての性能は研究されていない.特に,我が国の先新第三紀堆積岩の多くは付加体と呼ばれ,複雑な性状を示すが,そのような岩石自体の複雑さが然バリアとしての性能の優劣を決める訳ではない.本研究の意義は,我が国におけるそのような付加体岩石の天然バリア性能を核種に対する収着特性と拡散特性の点から明らかにした点になる.
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