研究課題/領域番号 |
21H01860
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分31010:原子力工学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
後藤 康仁 京都大学, 工学研究科, 准教授 (00225666)
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研究分担者 |
長尾 昌善 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 研究グループ長 (80357607)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2022年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2021年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | フィールドエミッタアレイ / 耐熱・耐放射線 / 電子デバイス / 窒素組成 / 仕事関数 / 窒化ハフニウム / Volcano構造フィールドエミッタアレイ / 仕事関数制御 |
研究開始時の研究の概要 |
原子炉や放射線施設において利用することのできる、高温・高線量率放射線環境下において安定・長時間動作可能な電子デバイスの実現を目指して微小真空電子デバイスを取り上げる。陰極に窒化ハフニウムを用い、窒素組成制御による仕事関数の最適制御を行って動作電圧の低下を行う。組成制御された窒化ハフニウムを陰極とする微小真空電子デバイスの作製技術を確立するとともに、陰極と対向電極の間の絶縁層に、漏れ電流を低減、放電を抑制する新たな素子構造を導入する作製プロセスを開発する。以上の技術を組み合わせた微小真空電子デバイスを作製し、放射線環境下ないしは高温下における動作試験を行って、デバイスの性能を評価する。
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研究成果の概要 |
放射線環境や高温で利用できる電子デバイスの実現を目指して、真空デバイスであるフィールドエミッタアレイの陰極材料を検討した。窒化ハフニウム薄膜の窒素組成と仕事関数、結晶構造・結晶性、電気抵抗率、硬度等の諸物性を評価し、窒素組成と物性の関係を明らかにした。また、この薄膜を用いたフィールドエミッタアレイの作製方法を検討した。作製に先立ち三層構造からなる絶縁体の絶縁性を評価し、フィールドエミッタアレイを実際に作製してその電子放出特性を評価した。また耐放射線電子デバイスとしての応用を確かめるために増幅回路や発振回路の試作やガンマ線照射下における動作特性測定の検討などを行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
福島第一原子力発電所の廃炉作業などの放射線環境下で動作する可能性のある電子デバイスとして期待される電界放出型の電子源、すなわちフィールドエミッタアレイの性能向上に取り組んだ。陰極材料の窒化ハフニウムの窒素組成と膜物性の関係を明らかにしたことは学術的に価値が大きい。また、実施に窒化ハフニウムを陰極とするフィールドエミッタアレイを作製することができたこと、フィールドエミッタアレイを用いた増幅回路等の動作を確認したことは、今後本研究の耐放射線電子デバイス・回路実現への大きな一歩となる。
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