研究課題/領域番号 |
21H01868
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分31020:地球資源工学およびエネルギー学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
甘蔗 寂樹 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (10544083)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
15,730千円 (直接経費: 12,100千円、間接経費: 3,630千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2021年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
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キーワード | エネルギーハーベスティング / センサ / 環境発電 / 磁気モーメント |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、微小のエネルギーを環境発電により計測器に供給しつつ、計測対象の情報を取得するエネルギーハーベスティングセンサ構築を目的として、その基礎研究を実施する。提案するエネルギーハーベスティングセンサは以下の特徴を有する。 ① 強磁性体から常磁性体への転移に伴う磁気モーメントの変化を用いる ② 磁性体が形成する磁場の変化により誘導起電力が生じ、計測する これらの特徴により、計測器が必要とする需要に即した電気を供給することができ、システム全体の効率的な運用が可能となると考える。これらの特徴を考察し、提案する新規エネルギーハーベスティングセンサ実現に向けてその有用性と、システム設計手法をまとめる。
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研究実績の概要 |
本研究では、磁気モーメントの変化を用いたエネルギーハーベスティングセンサの構築と実現に向けた基礎検討を行う。磁性体が温度により形成する磁場に差異が生じることを確認しており、この現象を利用して、温度を測定するというエネルギーハーベスティングセンサのコンセプトを提案している。2021年度に実施した磁性体の物理・化学的特性把握の検討結果の中でも、温度センサを構築する上で重要なデータである温度と磁性体が構築する磁場の測定をより正確に測定できるようにし、その測定データから温度センサの構築を行った。具体的には、2022年度は磁性体がキュリー温度付近において形成する磁場をより精緻に測定できるようにして、磁性体が昇温時と降温時に形成する磁場を測定した。また、その際に生じる差、つまりヒステリシスによる差異を測定した。これらの結果をもとに、非接触エネルギーハーベスティング温度センサを構築して、誘導起電力として温度を測定できるようにしている。構築した実験装置では生じる誘導起電力量に比べノイズが大きいことから、モーターやソレノイドコイル周りの電気回路などを変更を行った。その結果、ソレノイドコイルに生じる誘導起電力に比べてノイズが十分に小さくなり、その値が正確に測定できるようになった。同時に、複数の磁性材料からなる複合材料の利用可能性について文献調査を行い、対象となる材料を決定した。この材料は構成する成分の割合を調製することで、キュリー温度を変更することができる。その対象とした材料の作製を実際に行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
非接触エネルギーハーベスティング温度センサの構築において、当初予定していた以上にノイズの影響が大きく、ノイズ除去に時間を要した。しかしながら、2022年度の研究を通してこの部分については大きく進展したと考えている。逆に、複合材料の作製およびその特性の把握の部分に割く時間が減った。検討項目ごとに進捗の差異が生じているが、全体としては計画通りに研究が進んでいると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画通り進んでいるため、大きな変更は予定していない。エネルギーハーベスティングセンサの構築については2022年度の研究により大きく進展したので、作製している複合材料の特性把握とその複合材料を用いたセンサの構築に注力し、取得データ範囲を拡張する。
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