研究課題/領域番号 |
21H01872
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分31020:地球資源工学およびエネルギー学関連
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
木内 勝 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 准教授 (90304758)
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研究分担者 |
吉田 隆 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (20314049)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
16,900千円 (直接経費: 13,000千円、間接経費: 3,900千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
2021年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
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キーワード | 直流電力ケーブル / 臨界電流密度 / 縦磁界効果 / 磁束ピンニング / 電流容量 / 直流電力輸送ケーブル / 超伝導ケーブル / ナノ組織制御 / ナノ組織制御技術 / 過冷却 / 高効率電力輸送ケーブル / 高温超電導線 / 縦磁界 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ナノ組織制御技術を用いて線材に欠陥(人工ピン)を導入したRE(Rare-Earth)系コート超伝導線材と、超伝導線材の電流通電の方向に磁界を平行に加えることにより電流容量が大きく増加する縦磁界効果を用いて、軽量でコンパクトな高性能直流電力輸送ケーブルの実現を目的とする。この2つを組み合わせることにより、従来の超伝導ケーブルに比べて2倍の電流量を有する直流電力輸送ケーブルを目指すと共に、水素の排熱等による低コストケーブルシステムや、工場敷地内の大電流容量が必要とされる建屋間を結ぶ高密度な電力輸送システム構築、電車のき電線へ利用できる超伝導ケーブルの基礎技術の確立を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、超伝導線材の電流通電の方向に磁界を平行に加えることにより電流容量が大きく増加する縦磁界効果を用いて、軽量でコンパクトな直流電力輸送ケーブルの高性能化のため2つの観点から研究を行った。1つ目はは線材の縦磁界下で線材の臨界電流特性の決定機構解明であり、二つ目はケーブルの最適利用環境について調べた。縦磁界下で臨界電流特性を向上させるためには、超伝導層を歪ませないような小さな欠陥の導入が有効であることが明らかなった。更に、ケーブルの利用環境としては、冷却コストの点からも、液体窒素を減圧した過冷却下での運用の方が液体窒素冷却に比べて2倍の電流容量が達成できることが明らかなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
超伝導電力送電には超伝導ケーブル自体のコストだけでなく、付帯設備などの初期コストが必要なため阻害要因となっているが、本研究の新しい技術を利用した直流電力輸送ケーブルは、液体窒素冷却のみでなく、地中に埋設された断熱二重層の管路内の過冷却液体窒素下におけるケーブルの高性能化を明らかにしている。また、このような高性能な電力輸送ケーブルは、現在注目されている小型核融合炉や電気航空機への利用も可能にする。更に、本研究で明らかにした線材の開発が可能になると、高性能化ばかりでなく高密度化も可能になり利用線材の量を減らすことができ、ケーブル作製のコストの低減にも大きく貢献できる。
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