研究課題/領域番号 |
21H01879
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
松本 剛昭 静岡大学, 理学部, 准教授 (30360051)
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研究分担者 |
安池 智一 放送大学, 教養学部, 教授 (10419856)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
18,330千円 (直接経費: 14,100千円、間接経費: 4,230千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 15,730千円 (直接経費: 12,100千円、間接経費: 3,630千円)
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キーワード | 振動強結合 / 気相振動ポラリトン / 赤外分光 / 共振器 / ラビ分裂 / 共振器透過スペクトル / 光音響分光 / ファブリーペロー共振器 / 共振器量子電磁力学 / 共振器スペクトル / ポラリトン / 共振器赤外透過スペクトル / 赤外光音響分光 / 気相分子 |
研究開始時の研究の概要 |
振動強結合は分子振動と共振器モードの強い相互作用である。そこで形成される振動ポラリトンは原子と光子が渾然一体となった特異的な分子として注目される。本研究では振動強結合をポテンシャル曲面の描像から解明することを目的として、振動ポラリトンを形成した気相分子の赤外スペクトルを高精度に観測し、共振器量子電磁力学計算による振動準位構造との照合を行う。希薄濃度の気相中で振動強結合を実現するために、高フィネス共振器と駆動レーザーの適用により共振器の内部光子数を増大させることが本研究の独自性である。
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研究成果の概要 |
気相分子の振動強結合を実現し、そこで形成された振動ポラリトンの幾何構造を解明することを研究目的とした。そのための赤外分光システムの構築として、共振器透過スペクトルを測定するための赤外レーザーシステムの整備、ピエゾ駆動型並進ステージを用いた共振器制御法の開発を行った。さらに、気相振動ポラリトンの赤外スペクトルを観測するための高圧充填ガスセルの設計製作、光音響分光観測のため音波検出法の検討を行った。反射率97%の金ミラーで作られる光学共振器の透過特性である共振器透過スペクトルを測定したところ、設定した共振器間隔とフィネス(共振器の光閉じ込め特性)により予測されるスペクトルを再現することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
振動強結合により生成される振動ポラリトンは化学反応の速度を大きく変えることが知られている。これは2枚の鏡で作られる共振器が化学反応における触媒(あるいは阻害剤)として働くことを意味する。振動ポラリトンが化学反応に及ぼす影響を物理化学的に明らかにし、さらにその影響を制御できれば、一般的な触媒に代わるクリーンな化学反応制御に寄与できる可能性がある。我々の研究は化学反応制御の根本でもある分子構造の解明であり、反応速度や動力学を左右する因子をポテンシャルエネルギー曲面から考察することである。高精度の構造研究を目指すために、実験的に測定困難とされてきた希薄濃度の気相分子と我々はあえて対峙する。
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