研究課題/領域番号 |
21H01891
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
瀧上 隆智 九州大学, 基幹教育院, 教授 (40271100)
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研究分担者 |
濱田 勉 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (40432140)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
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キーワード | リピッドソーティング / 脂質ベシクル / 線張力 / 膜曲率 / 臨界充填パラメーター / ベシクル変形・崩壊 / 負曲率 / ストーク構造 / ベシクル融合・崩壊 / 両親媒性ペプチド / SAXS法 / 曲げ弾性 / ベシクル変形と崩壊 / 出芽形成 / ドメイン形成 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では多成分脂質ベシクルを対象に、リピッドソーティングが誘起する膜の不均一性とベシクル変形挙動との因果関係を明らかにする。液体秩序(Lo)/液体無秩序(Ld)ドメインが共存する不均一なベシクルの様々な変形モードを対象に、蛍光および共焦点顕微鏡、FRET蛍光消光法、蛍光退色回復法、SAXS・SANS法を駆使し、線張力、曲げ弾性、膜内分子拡散・組成分布の評価を行う。これらを基に「膜の不均一性」と「リピッドソーティング」を結び付けた観点からベシクルの変形挙動を統一的に解釈することを目指した研究である。
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研究成果の概要 |
本研究では多成分脂質ベシクルを対象に、リピッドソーティングが誘起する膜の不均一性とベシクル変形挙動との因果関係を明らかにすることを目的とした。ベシクル二分子膜での液体秩序(Lo)/液体無秩序(Ld)相が共存する不均一な膜状態を対象に、ベシクルの形態変化を、膜内での分子分布の変化の観点から考察した。 臨界充填パラメーター(cpp)が1より小さな脂質の添加は、Lo/Ld相分離や出芽形成の誘起を促進した。一方、cppが1以下の逆コーン型脂質を添加は、ベシクル同士の接着・融合やネックレス状の形態変化を誘起した。これらは脂質分子の二分子膜内における偏った分布と膜曲率のカップリングが要因となっている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で得られた研究成果は、生命機能に深く関与する生体膜の変形挙動を脂質分子の幾何学的形状との関連から明らかにし、生体膜での物質透過・輸送のメカニズムと膜の微細構造との相関の解明という生物科学分野での主要命題の解決にも波及する。さらにベシクルの形態を緻密に制御可能となり、医療・食品・化粧品等の分野で実用化されている材料の高度化・高機能化が進むとともに、不均一な膜構造と膜曲率を利用した機能性タンパク質やペプチドの結合・集積による人工チャネルの構築や自己再生産機能を有する人工細胞の創製へと展開が可能となる。
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