研究課題/領域番号 |
21H01904
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32020:機能物性化学関連
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
舟橋 正浩 香川大学, 創造工学部, 教授 (90262287)
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研究分担者 |
上村 忍 香川大学, 創造工学部, 教授 (60423498)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2022年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
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キーワード | バルク光起電力効果 / 有機半導体 / 強誘電性液晶 / キラリティー / 液晶製半導体 / オリゴチオフェン / 乳酸エステル / 液晶性半導体 / 強誘電体 / 有機エレクトロニクス / 電界発光 / 太陽電池 / 拡張π電子共役系 / バルクヘテロ接合 / 有機薄膜太陽電池 / フラーレン |
研究開始時の研究の概要 |
強誘電性液晶にπ電子共役系を組み込んだ液晶性強誘電半導体のバルク光起電力効果を利用した新しい原理に基づく太陽電池の基盤的学理を明らかにする。本効果は分子キラリティーに由来する新しい現象である(キラル光起電力効果)。通常の太陽電池ではp-n接合やショットキー接合によって生じた内部電界を利用しているため出力電圧はバンドギャップに制限されており、1 Vを超えない。本研究提案では、強誘電性液晶の自発分極によって発生した内部電界を利用することにより、バンドギャップ以上(3 V以上)の出力電圧を実現する。
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研究成果の概要 |
拡張π共役強誘電性液晶のバルク光起電力効果を検討した。π共役系を拡張したクインケチオフェン骨格を有する強誘電性液晶を合成した。4位に側方メチル基を有する化合物は高次の強誘電相を示し、直流電圧印加により分極を固定できた。可溶性フラーレン誘導体であるPCBMを11mol%添加し室温に冷却したところ、PCBMが相分離・結晶化しバルクヘテロ接合が形成された。白色光を照射すると光起電力が発生した。開放電圧は0.72 Vにとどまったものの、フィルファクターが向上しエネルギー変換効率は0.7%に達した。吸収波長は580 nmにレッドシフトしており、長波長側の可視光を有効利用できたものと考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の接合型太陽電池のエネルギー変換効率の理論限界は32%程度と言われている。この値を超えるためには従来の接合型太陽電池とは異なった原理の光起電力素子の開発が必要となる。強誘電体の自発分極を駆動力とするバルク光起電力効果が注目されているが、有機物の例は非常に限られており、室温でμA/cm2以上の電流密度と1 V以上の開放電圧を実現した例はない。本研究課題では、強誘電性液晶を用いたバルク光起電力効果を検討し、最大で数百μA/cm2の電流密度、1.2 Vの開放電圧を実現した。拡張π電子共役系を組み込んだ強誘電性液晶の光起電力材料としての有効性を立証することができた。
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