研究課題/領域番号 |
21H01916
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33010:構造有機化学および物理有機化学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
深澤 愛子 京都大学, 高等研究院, 教授 (70432234)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2021年度: 8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
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キーワード | 非ベンゼン系共役電子系 / π共役 / 反芳香族 / ペンタレン / ジアザペンタレン / 電子受容体 / フラーレン / 芳香族 / 交差共役系 / ジチエノペンタレン / ペンタフルバレン / 多段階酸化還元系 / 電子受容性 / アザフルバレン / 芳香環 / 反芳香族性 / フルバレン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,基礎科学と材料科学の両面にブレイクスルーをもたらす新しい光・電子機能性有機材料を生み出すことを最終目標とし,特異な電子構造と安定性を兼ね備えた非ベンゼン系共役電子系および分子集合体の創成と機能開拓に取り組む。「効率的合成法の開発」と「弱い芳香環の縮環による安定化」を基盤とし,非ベンゼン系共役電子系における分子間相互作用の本質理解に努めるとともに,めざす物性・機能からバックキャストした独自の分子設計をもとに未踏物性や機能を探求する。
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研究成果の概要 |
チオフェンを縮環部位にもつペンタレンおよび1,4-ジアザペンタレンの分子間相互作用について解析した結果,積層芳香族性を発現するような面心積層構造の形成は認められなかったものの,交換反発の軽減により密な積層構造の形成が可能であることを見出した。また,一連の新奇反芳香族化合物の合成過程において,ベンゾチオフェン-S,S-ジオキシド縮環ペンタレンが0価ニッケルと安定な錯体を形成することを見出した。 さらに,ペンタフルバレンを部分構造とする拡張π電子系の設計により,フラーレンC60に比肩する高い電子親和性と多電子還元に対する安定性を平坦な一次元共役系でも獲得できることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在の有機光・電子機能性有機材料の基本構造はベンゼンや複素芳香環に依存している。これらの物性や機能の限界を打破する上で,異なる構造特性をもつ化合物群に対する物性の探究や機能開拓の試みは必要不可欠であり,本研究で得られた知見はその中でも分子設計や分子間相互作用に対する基礎的な理解を与えるものである。特に,フラーレンに迫る電子受容性を一次元炭化水素で実現できたことは,これまでの電子受容体の設計における常識を打破する成果であり,電子受容体の科学に新たな方向性を示すものといえる。
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