研究課題/領域番号 |
21H01917
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33010:構造有機化学および物理有機化学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
齊藤 尚平 京都大学, 理学研究科, 准教授 (30580071)
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研究分担者 |
佐藤 良勝 名古屋大学, トランスフォーマティブ生命分子研究所, 特任准教授 (30414014)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2023年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2021年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
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キーワード | フォースプローブ / 材料イメージング / ソフトマテリアル / メカノケミストリー / 応力集中 / ゲル / エラストマー / FLAP / 粘度プローブ / 高分子物理 / 液晶 / 励起状態芳香族性 / Force Probe / Viscosity Probe / ポリマーメカノケミストリー / レシオメトリック蛍光プローブ / 延伸誘起結晶化 / 蛍光フォースプローブ / 高分子レオロジー / ナノ応力集中 / 蛍光粘度プローブ / ネマチック液晶 / 蛍光レシオメトリック解析 / 蛍光イメージング / 応力応答材料 / 圧力センシング / PDMS / 高分子ゲル / 圧縮応力 / レシオメトリック蛍光イメージング / 二重蛍光 / Forceプローブ / 粘度 / 応力 / ゲル・高分子 / 血液 |
研究開始時の研究の概要 |
不均一な系において、局所的な環境の偏り(流れ場における局所粘度や、変形した高分子の局所応力集中)を定量的に評価することは、基礎科学のみならず工業的にも重要である。対象物を連続体として扱う物理的な計測手法とは異なり、環境応答性の蛍光プローブを対象物質に分散させる化学手法では、ナノ環境の変化が蛍光シグナルに反映される。本研究では、プローブ分子の濃度に依存しない蛍光レシオや蛍光寿命を指標として、従来の粘度プローブ・応力プローブではカバーできていなかった低閾値の環境変化を追跡できる独自の羽ばたく蛍光プローブを開発し、運用することで、過去にない科学技術の開拓を目指す。
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研究成果の概要 |
高分子物理研究に最適な約100 pNに応答閾値をもつ蛍光レシオ型のForce Probe (FLAP)を開発した。FLAPの化学ドープする箇所を制御することで、破断前の架橋高分子において架橋点には主鎖よりも局所応力が集中しており、破壊の起点となりやすいことを示した。また、エラストマーの延伸や高分子ゲルの圧縮に対して、不均一な応力分布を蛍光イメージングで定量追跡した。さらに、高分子材料の強靭化に寄与する「歪み誘起結晶化」の状態を光学的に追跡する手法を開拓し、分子鎖の延伸と結晶化は同時ではなく段階的に起こることを示した。また、FLAPを環境応答プローブとして活用しソフトマター物理の発展に貢献した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
数pNの力の観測を狙った「FRET型フォースプローブ」を扱うメカノバイオロジーと、共有結合の開裂に200 pN以上の力を必要とする「メカノフォア 」を扱う高分子メカノケミストリーは、同じ「力を視る科学」でありながら、10年間に渡って2つの分野が交差しなかった。その理由は、扱っている上記の蛍光システムが応答する力の閾値が全く異なるためである。一方で、分子鎖の破壊を伴わない絡まった分子鎖の変形を扱う高分子物理では、共有結合の切断よりも低く、なおかつ熱揺らぎを十分に上回る応答閾値をもつ新たなフォースプローブが必要であった。本研究では高分子物理の追跡に最適なプローブを開発し、実際に新知見を開拓できた。
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