研究課題/領域番号 |
21H01919
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33010:構造有機化学および物理有機化学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
久木 一朗 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 教授 (90419466)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2021年度: 8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
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キーワード | 水素結合 / 多孔質結晶 / 刺激応答性 / π共役 / 光異性化 / 多孔質構造体 / 構造転移 / 単結晶 / 外部刺激応答性 / パイ共役 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、所望の機能をプログラムした有機分子を水素結合で自発的に集積させ、外部刺激によって可逆的にその構造と機能を変調できる「水素結合性ダイナミック空間機能材料」の創出を目的とする。具体的には、明確な空間構造を維持するためのフレームワークの剛直性と、外部刺激によって構造を大きく変形できる構造柔軟性をもつ結晶性分子結晶を、カルボキシ基の分子間水素結合を利用して構築し、動的な結晶材料を指向した概念実証を行う。
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研究実績の概要 |
有機分子から構成される多孔質構造体は、分子に応じて構造体内部の空孔の形、大きさ、および化学的・電子的性質を自在に設計、構築でき得る。本研究では、 所望の機能をプログラムした有機分子を水素結合で自発的に集積させ、外部刺激によって可逆的にその構造と物性 (機能) をスイッチできる「水素結合性ダイナ ミック空間機能材料」の創出を目的とする。 プロトン応答部位としてキノキサリンを縮環させたヘキサデヒドロ[12]アヌレン骨格をもつヘキサカルボン酸誘導体を用いて水素結合性有機フレームワーク (HOF)を構築した。これにより、酸への暴露に対して黄色から赤色へと色調が大きく変化するHOFを創出した。また、非平面π共役ジベンゾクリセンを主骨格にもち、スペーサーとして置換位置の異なるナルチレン部位を有する一連のテトラカルボン酸誘導体を合成し、HOFの構築を行った。主骨格の強固な積層によっていずれも同様のネットワーク構造をもつ多孔質同型HOFを得た。一方これらのHOFは、溶媒分子を脱離/吸着する過程において、ナフチレン部位に応じてそれぞれ異なった動的挙動を示すことが明らかになった。配座柔軟性をもつイオノファーである18-クラウン-6-エーテルを主骨格にもつヘキサカルボン酸誘導体を用いて1次状のチャネルをもつプロトン伝導性のHOFの構築にも成功した。 さらに、ピレンおよびヒドロピレンを主骨格にもつテトラカルボン酸を、任意の割合で混合して結晶化し、固溶体HOFの作製を行った。それぞれの親化合物は、共結晶かしても固溶体結晶を与えることはないのに対して、カルボン酸誘導体は分子間水素結合により固溶体を形成できることが分かった。これらの組成比を結晶学的手法により明らかにし、単結晶中における2成分の分布を顕微ラマン分光により検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、化学的な外部刺激に着色で応答する水素結合性有機多孔質フレームワーク(HOF)や、構造の伸縮で応答するHOFの構築を達成した。また新たな試みとして、複数の成分を任意で混合した系からHOFを生成させることにより、より多様かつ体系的な柔軟HOFの創出にも取り組み始めており、本課題は計画通りに順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、分子の配座の柔軟性や分子間水素結合の構造柔軟性および結合の解離と再結合による顕著な動的構造変化を総合的に利用することによって、外部刺激に対してさらに顕著にかつ鋭敏に応答するHOFの構築を目指す。特に、複数の成分を任意で混合した固溶体HOFにおける構造ダイナミクスを詳細に検討する。
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