研究課題/領域番号 |
21H01932
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
ウヤヌク ムハメット 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (20452188)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2022年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2021年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | 合成化学 / 有機化学 / ハロゲン / 酸化反応 |
研究開始時の研究の概要 |
環境・資源問題が深刻化するなか、物質文明社会の持続的発展のためには、環境低負荷型精密有機合成法の開発が最重要課題の一つであり、貴金属や重金属等の毒性の強い金属資源を反応剤や触媒に用いる従来型の有機合成化学からの脱却が求められている。近年、金属を含まない有機分子触媒の開発が国内外で盛んであるが、その多くは酸・塩基触媒であり、酸化・還元型の有機分子触媒の開発は比較的遅れている。本申請研究では、貴金属や重金属の代替としてハロゲン(ヨウ素、臭素、塩素)の酸化・還元能を活かし、デザイン型ハロゲン化合物を有機分子触媒に用いる非金属系環境低負荷型酸化的カップリング反応及び不斉ハロゲン酸化触媒の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
環境・資源問題が深刻化する中、物質文明社会の持続的発展のためには、環境低負荷型精密有機合成法の開発が最重要課題の一つであり。従来の有機合成化学では、貴金属や重金属といった毒性の強い金属資源を反応剤や触媒に使用しているため、その脱却が求められている。本研究では、ハロゲンの酸化・還元能を活かし、デザイン型ハロゲン化合物を有機分子触媒に用いた非金属系環境低負荷型酸化的カップリング反応および不斉ハロゲン酸化触媒を開発した。具体的には、第四級オニウムハロゲン化物を触媒前駆体とし、過酸化水素や過酸を共酸化剤とすることで、毒性の強い物質を一切使用しない反応系を実現した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の特色は以下の点にある。(i) 遷移金属を使用せず、安全かつ安価な酸化剤を用いて温和な条件で反応が進行する環境調和型システム、(ii) 豊富で低毒性なハロゲン化物イオンを用いた触媒システム、(iii) 近年盛んに研究されているヨウ素を用いた酸化システムをより酸化力の高い臭素に拡大し、キラル次亜ハロゲン酸塩触媒を開発した点である。本研究の発展により、従来の重金属酸化剤、レアメタル触媒、超原子価ヨウ素を用いた酸化的カップリング反応の問題点(危険性、低選択性、環境・元素戦略的問題等)を著しく軽減し、理想的な環境低負荷型酸化反応を可能にし、工業化においても非常に有利となることが期待される。
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