研究課題/領域番号 |
21H01937
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 (2022-2023) 京都大学 (2021) |
研究代表者 |
大村 智通 京都工芸繊維大学, 分子化学系, 教授 (00378803)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
2021年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
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キーワード | 合成化学 / 触媒的分子変換 / 炭素-水素結合活性化 / 炭素-炭素結合形成 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では、従来の化学合成の概念を刷新し低環境負荷・省エネルギーでの物質創成に資する、次世代の機能性分子創出法を開発する。特に、生理活性や材料物性の鍵となる不斉炭素中心やπ共役部位を含む分子骨格の構築に焦点を絞り、飽和炭化水素などの不活性なアルキル基を利用する触媒反応群の開発とその体系化に取り組む。
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研究実績の概要 |
低環境負荷・省エネルギーでの物質創成に資する次世代の機能性分子創出法の確立を目的として、パラレル触媒作用のコンセプト展開と、不活性アルキル基を利用する触媒反応群の開発に取り組んでいる。本年度は、研究実施計画に記載した研究項目1および2に関する検討を進めるとともに、研究項目3についても計画を前倒して検討を開始した。 研究項目1:「新反応様式A」の反応群創出と複素環化合物の不斉合成 アルキル基炭素-水素結合と他の炭素-水素結合間で、二つの水素原子を取り去りながら炭素-炭素結合をエナンチオ選択的に形成する「新反応様式A」の開発に取り組み、2-アルキルメトキシベンゼンから2,3-ジヒドロベンゾフランを直接得るイリジウム触媒反応を明らかにした。また、「新反応様式A」に分類可能な、エチルアレーンとノルボルネンのエナンチオ選択的分子間炭素-炭素結合形成反応を見出した。 研究項目2:「新反応様式B」の反応群創出とπ共役高分子合成への応用 エチルアレーンのアルキル基 C-H 結合と反応相手分子の C-H 結合間で、四つの水素原子を取り去りながら 1,2-二置換アルケンを形成する「新反応様式B」に関し、反応相手分子の探索を実施し、基盤的知見を蓄積した。 研究項目1の検討で得た知見から研究が展開し、研究項目3の「新たな「パラレル触媒作用」の開拓」に関する知見を得た。すなわち、脱水素化触媒サイクルとO-H付加触媒サイクルが同時並行で進行するパラレル触媒作用を見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「新反応様式A」に分類可能な新反応を見出したことに加え、新たなパラレル触媒作用を明らかにすることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
新たに見出した「新反応様式A」に分類可能なエチルアレーンの分子間反応について、反応機構に関する知見獲得や適用可能な基質の拡張をはかり、さらなる新反応開拓へ繋げる。また、ベンゾ縮環生成物を与える反応群創出にも継続して取り組み知見を蓄積し、最終目標とする非ベンゾ縮環生成物を与える反応の実現をめざす。「新反応様式B」では、複素環の検討範囲を拡張し、π共役高分子の合成に応用するための基盤的知見の獲得を進める。「パラレル触媒作用」については、新たに見出した知見を基軸として開発を進め、新反応群の効率的創出を実現する。
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