研究課題
基盤研究(B)
本研究課題では、細胞外小胞の直径・膜タンパク質に表面電荷を加えた層別化法の創出と、層別化する細胞外小胞に内包されるmicroRNAのpathway解析による細胞内機能の顕在化を行い、細胞外小胞の層別化情報とmicroRNAの細胞内機能情報を相関付ける。また、相関情報に基づいて、体液中の”生命現象に携わる細胞外小胞”を層別化し、当該細胞外小胞に基づく疾病診断へと展開する。
本研究課題では、これまでに申請者が開発してきたナノ空間制御による細胞外小胞の捕捉技術とmicroRNA解析技術を進展させ、細胞外小胞の直径・膜タンパク質に表面電荷を加えた層別化法の創出と、層別化される細胞外小胞に内包されるmicroRNAのpathway解析による細胞内機能の顕在化を目的にした。昨年度までの研究において、原子層堆積装置のサイクル数を変化させ、ZnO/SiO2のコアシェルナノワイヤの直径を変化させることや、ナノワイヤ間隔の制御、ZnO/Al2O3などの酸化物に応じた吸着様式の変化などを確認している。また、今回用いているナノワイヤはアスペクト比が大きいため、乾燥時の溶媒の界面力によってナノワイヤの形が変形することにより、ナノワイヤの間隙の制御とサイズによる層別化も達成できた。本年度は、膜タンパク質の凹凸表面を原子層堆積装置によるナノワイヤ表面への作製による形に応じた吸着によるタンパク質分級や、タンパク質のアミノ酸配列と酸化物の相互作用によるタンパク質分級を実施し、細胞外小胞の膜タンパク質に基づく層別化を実施した。さらに、酸化物自体の特徴に合わせ、ナノワイヤの間隙制御によるサイズ分離や、特徴的な膜タンパク質の捕捉を組み合わせ、細胞外小胞の層別化を実施した。また、層別化した細胞外小胞に内包されるmicroRNAの機能情報を解析し、これまで未踏であった “層別化細胞外小胞の学理に基づく疾病診断への展開” について検討を行なった。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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