研究課題/領域番号 |
21H01993
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35020:高分子材料関連
|
研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
熊木 治郎 山形大学, 大学院有機材料システム研究科, 客員教授 (00500290)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 8,970千円 (直接経費: 6,900千円、間接経費: 2,070千円)
|
キーワード | 高分子結晶構造 / 原子間力顕微鏡 / 折り畳み鎖結晶 / 孤立鎖 / 結晶化メカニズム / 高分子超薄膜 / 高分子構造・物性 / Langmuir-Blodgett膜 / 結晶化挙動 / 折りたたみ鎖結晶 / 高分子孤立鎖 / 原子間力顕微鏡(AFM) / Langmuir-Blodgett film / 原子間力顕微鏡(AFM) |
研究開始時の研究の概要 |
高分子は長くてフレキシブルなひも状の分子であり、それが、一般に折りたたまれて折りたたみ鎖結晶を形成する。その過程は複雑であり、現在でも不明な点が多い。もし、最も単純な高分子1分子が結晶化する過程を分子レベルで直接観察できれば、結晶化過程の理解が飛躍的に進むと考えられるが、今日まで観察に成功した例はない。本研究では、高分子1分子を結晶化しないマトリックス単分子膜中に孤立した状態で分散させたサンプルを用い、高湿度下での結晶化過程を原子間力顕微鏡(AFM)を用いて分子レベルで直接実像観察する。結晶構造は、力学特性等に大きな影響を与えるため、結晶化過程を解明、制御することは実用的にも極めて重要である。
|
研究成果の概要 |
高分子は一般に折りたたみ鎖結晶を形成するが、その過程は複雑で今日でも不明な点が多い。我々は、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて単分子膜中のイソタクチックポリメタクリル酸メチル(it-PMMA)の結晶化挙動を分子鎖レベルで初めて実時間観察することに成功しているが、多くの高分子鎖が凝集した系では、個々の分子鎖の挙動を明らかにするには限界があった。本研究では、it-PMMAを分子量が小さく液状で結晶化できないMMAオリゴマー単分子膜に孤立鎖状態で可溶化させ、孤立鎖の結晶化過程を実時間観察した。非晶分子鎖の任意の位置で結晶化が開始すること、分子鎖が結晶内を著しく滑って結晶化することなどが明らかになった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
折りたたみ鎖結晶は高分子の最も一般的な結晶形態であるが、構造が複雑でその結晶化過程は不明な点が多い。本研究では、高分子一分子鎖を孤立させた状態で結晶化させ、孤立鎖の結晶化過程を初めて実時間で原子間力顕微鏡観察することに成功した。高分子鎖の任意の位置で結晶化が開始すること、折りたたみ鎖結晶化の際に、分子鎖が結晶内部を顕著に滑って結晶化していることなど、孤立鎖の結晶挙動を観察することで初めて明らかになった。
|