研究課題/領域番号 |
21H01997
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35020:高分子材料関連
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研究機関 | 北陸先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
長尾 祐樹 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (20431520)
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研究分担者 |
原 光生 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (10631971)
山本 勝宏 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30314082)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2022年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2021年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
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キーワード | 触力覚センサ / 機械的負荷 / リオトロピック液晶性 / 生体模倣 / 圧力依存性 / 圧力誘起 / 圧力下測定 |
研究開始時の研究の概要 |
動物やヒトが外界を感知するための五感は、感覚機能として生活に欠かせない。生体系の触力覚では、ソフトマターの協同性により、機械的刺激を受けたタンパク質等の高次階層構造が変化することで、イオンチャネルが見事に制御されている。これに対して、人工的な触力覚センシングは、電子輸送に基づいたものが多く、イオン伝導性を用いた階層的構造の設計指針が確立していない。 本研究では、2名の研究分担者とともに、階層的構造を有するスルホン化ポリイミドにおけるイオン輸送の研究実績を活かして(Sci. Tech. Adv. Mater., 21, 79 (2020))、イオン伝導性が機械的負荷に応答した起源を解明する。
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研究実績の概要 |
本研究では、研究代表者が独自に見出した、組織構造を有する高分子電解質における機械的負荷によるイオン伝導性の変化の起源を明らかにする。R4年度も引き続き、以下の3つの研究項目を実施した。①3つの構造的特徴に基づいた分子設計の探索(側鎖長、イオン種、主鎖屈曲性)、②負荷に対する構造変化とリオトロピック液晶相の圧力誘起相転移の探索、③機械的負荷による構造変化とイオン伝導性の変化の探索。特に②に対する研究に注力した。 昨年に続き、国立台湾科技大学のYu-Cheng Chiu博士を本学に客員研究員として招聘し、組織構造薄膜に対して温湿度制御下で再現性良く機械的負荷を引加可能なインピーダンス測定用のセルを大学院生2名と共に開発した。装置の改良を繰り返すことで測定の再現性や制度をさらに向上させることができた。また複数のロボット研究者と共に、従来材料や触力覚センサに対する優位性や触力覚センサへの検討を進めた。 主な成果は、組織構造薄膜に対して温湿度制御下において、精度および再現性をより向上させた機械的負荷を引加可能なインピーダンス測定用のセルを開発した点や分子骨格によりイオン伝導度の圧力依存性が全く異なることを見出した点等に加え、特筆すべき点としてイオン伝導度の圧力感度が0.1 MPaレンジで24 MPa-1と従来材料よりも高い感度を有する材料が見いだされた点が挙げられる。 一方で、より低圧での試験実施に関しては再現性に課題を残した。次年度はさらに圧力レンジを広げると共に、測定精度の向上を目指す。 関連する論文発表は2件、学会発表は15件(うち招待講演は2件)実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
提案のアイデアに基づき、高プロトン伝導性高分子薄膜の組織構造を用いたプロトン伝導度の圧力依存性において、圧力感度が非常に高い当初予想していた以上の成果が得られた。このプロトン伝導度の圧力依存性は、従来の材料変形によるイオン伝導性の変化のメカニズムとは異なるものと考えられる。さらに、従来の触力覚センシングではできないセンシング技術の可能性を見出したことから、当初の計画以上に進展していると考えた。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画以上の成果を得ており、次年度の計画も予定通り進める予定である。これまでの知見をもとに、2名の研究分担者とともに、特に圧力による組織構造変化をGISAXS等を利用することで同定することに注力し、リオトロピック液晶性高分子におけるイオン伝導度の圧力依存性の発現メカニズムを調べる。
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