研究課題/領域番号 |
21H02010
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35030:有機機能材料関連
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
一川 尚広 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80598798)
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研究分担者 |
廣田 雄一朗 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60632437)
渡辺 豪 北里大学, 未来工学部, 教授 (80547076)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 9,490千円 (直接経費: 7,300千円、間接経費: 2,190千円)
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キーワード | 三相界面 / ジャイロイド / 液晶 / イオン液体 / 燃料電池 / プロトン伝導 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、双連続キュービック液晶が形成する三次元連続性を持った立方周期ナノ構造(ジャイロイド構造)の利用に着目した。このナノ構造を利用して、『三次元の連続性を有する燃料ガス輸送チャンネル』と『三次元の連続性を有するプロトン伝導界面』を同一立方格子内に創る革新的技術を開発し、燃料ガス輸送相と電解質輸送相を同一の擬似一次相内に融合することを目指す。更に、電極上の白金触媒表面をこのような擬似一次相で覆うことで、白金ナノ粒子の表面全体を反応活性点に変換する方法論を開発し、燃料電池デバイスの革新を目指す。
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研究実績の概要 |
カーボンニュートラルな社会の構築において、燃料電池は中核を担うデバイスである。このような燃料電池の発電効率や機能・性能を革新するためには、燃料電池の部材である電極・電解質・セパレータ・触媒などの個々の設計も重要であるが、それらの部材の接合界面を制御することが極めて重要である。特に、『燃料相/電解質相/触媒相の三相の全てが接する界面(三相界面)』は反応活性点として機能する点であり、この三相界面を如何に多量に系中に作り出すかは発電効率に強く関与する因子である。これまで我々はジャイロイド構造を有する特異なプロトン伝導膜の開発に成功してきた。この膜は、我々が独自に設計・開発した重合性基を有する両親媒性双性イオンを自己組織化した状態でin situ重合することによって得ることができる。膜内のジャイロイド極小界面に沿ってスルホ基が精緻に配列した構造を有しており、湿度雰囲気下に静置すると吸湿し、この界面に沿って水分子が取り込まれ、界面上に並んだ水分子を介して高速なプロトン現象が誘起される点が特徴である。本研究では、この我々が開発してきたジャイロイド構造膜を改質し、三相界面を大幅に拡大する方法論を創成することを目的とする。具体的には、ジャイロイド構造膜中にH+の輸送経路と水素の輸送経路の両方を創り出し、燃料ガス相と電解質相を同一の擬似一次相内に融合することを目指す。更に、電極上の白金触媒表面をこのような擬似一次相で覆うことで、白金ナノ粒子の表面全体を反応活性点に変換する方法論の開発を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度は、両親媒性双性イオンのアルキルリンカー鎖が自己組織化挙動に与える効果についてまとめ、論文化するに至っている。また、ジャイロイド構造を固めるためのアプローチとして様々な酸添加の効果を検討した。シロキサン骨格を持つ酸や高分子の酸を用いたアプローチを進めており、それぞれのメリット・デメリットを明らかとしつつある。また、DSC測定やプロトン伝導度測定を様々な条件で行い、結果を比較検討したところ、膜内のプロトン伝導メカニズムについて明らかにすることができた。この膜内のプロトン伝導機構は、通常のプロトン伝導膜中でおこるプロトン伝導機構とは異なる機構であることがわかり、分子設計指針や改良指針が大幅に拡張できたと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
上記に示したように、我々が開発したジャイロイド構造膜中では、通常のプロトン伝導膜中でおこるプロトン伝導機構とは異なる機構が働いていることが分かってきた。本年度は、膜内の水分子のダイナミクスを定量的に解析し、このプロトン伝導機構を明らかにする。明らかにした伝導機構を踏まえて、材料改良を進め、高プロトン伝導性を維持したまま目的のガス透過性を付与するような設計に挑戦する。得られた材料を白金触媒周りに塗布する方法論を確立し、得られた白金触媒を燃料電池セルに組み込み、発電効率を調べることで、最終目標である三相界面の拡張技術に利用できるか検証する。
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