研究課題/領域番号 |
21H02026
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分36010:無機物質および無機材料化学関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
大友 明 東京工業大学, 物質理工学院, 教授 (10344722)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2022年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2021年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
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キーワード | 薄膜電子材料 / エピタキシー / 電気化学 / 超伝導材料・素子 / トポケミカル反応 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,多様な結晶構造や原子価をとる遷移金属酸化物に着目し,それらの準安定相を薄膜技術ならびに電気化学的な酸化還元プロセスを用いて作製し,低い原子価における未解明の電子状態や遷移金属の酸化還元に伴う電子相転移を元素横断的に調べることを目的とする。また,これにより新たな電気伝導性,磁性,光学特性を発現する材料の創製を目指す。
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研究成果の概要 |
超伝導転移や金属-絶縁体転移は,従来の半導体集積回路では実現できない様々な機能性を電子回路にもたらす。近年,エピタキシャル薄膜を用いた超伝導転移や金属-絶縁体転移を外場によって制御する研究は,基礎・応用の両面から注目を集めている。本研究では,エピタキシャル成長した遷移金属酸化物の電子状態を電気化学セル中でその場観測・解析し,新しい電子機能を創成するための基盤技術として確立することを目的とした。バルクでは得られない準安定な結晶構造を薄膜で実現する手法とともに,外場によって直接組成を変調した効果が電気伝導性の顕著な変化として観測できる実験方法を確立した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果の学術的な意義は,不安定な物質を薄膜化によって安定化することで電気化学的なキャリアドープを可能にしたことであり,その結果これまで分かっていなかった特異な電気伝導性を詳しく調べ,その起源を明らかにすることに成功したことである。本研究において電気化学的なキャリアドープに用いた素子構造は,リチウムイオン二次電池の基本構造と同じである。電気化学ドープへの耐性が高いことが判明した物質群を電池材料として利用することは,電池寿命の改善にもつながる。したがって,本研究の社会的意義は,物性測定のツールを開発したことだけでなく、エネルギー貯蔵技術の発展に貢献する実験システムを開発したことである。
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