研究課題/領域番号 |
21H02027
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分36010:無機物質および無機材料化学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
大槻 主税 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (00243048)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2023年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 10,790千円 (直接経費: 8,300千円、間接経費: 2,490千円)
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キーワード | バイオマテリアル / 複合材料 / 人工骨 / ヒドロキシアパタイト / リン酸カルシウム / 生体活性セラミックス / 生体材料 |
研究開始時の研究の概要 |
リン酸カルシウム系化合物の1つであるヒドロキシアパタイト(HAp)のセラミックスは、特異な生理学的活性を発現する材料であり、骨欠損を補填する人工骨として実用化されている。しかし、HApセラミックスでは自家骨に匹敵する機械的特性は得られていない。本研究では、自家骨に匹敵する機械的特性を持つ人工骨の創製を目指して、無機/有機複合生体材料の新規合成プロセスを探索する。新たに提案する合成プロセスは、HApの生成を行う反応場に、高分子を共存させることを特徴とする。複合化プロセスの解明と機械的強度向上への指針の確立、ならびに新規な無機/有機複合材料を構築するための基盤となる学理を開拓する。
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研究成果の概要 |
リン酸カルシウム化合物のセラミックスは、骨欠損を補填する人工骨として実用化されている。しかし従来のリン酸カルシウム化合物のセラミックスでは、自家骨に匹敵する力学的(機械)特性は得られていない。本研究では、自家骨に匹敵する機械特性を持つ人工骨の創製を目指して、無機/有機複合生体材料の合成条件をリン酸カルシウム、有機修飾ケイ酸塩、有機修飾リン酸塩などのセラミックス微粒子と、親水性の高分子をマトリックスに用いて複合化により探索した。セラミックスが体液環境でヒドロキシアパタイト(HAp)の形成を誘起する一方で、高分子に存在するある量の官能基により、HAp形成が阻害されることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人工骨は、損傷した骨組織を修復する医療機器として、臨床使用されている。従来の人工骨素材は、高い生物学的親和性を示すものの、力学的(機械)特性が天然の骨に及んでいない。しなやかさや切削性も併せ示す機械特性の人工骨用素材が求められている。人工骨は、生体から移植片を採取するリスクがなく、社会に普及できる技術である。本研究では、無機/有機複合生体材料によって人工骨用素材を開発することを目的にした。親水性高分子マトリックスとして、生体活性セラミックスのフィラーを含有した材料で、その合成が可能となる条件を明らかにしたことは学術的に意義深く、今後の医療技術の発展に大きく寄与する社会低意義を持っている。
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