研究課題/領域番号 |
21H02029
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分36010:無機物質および無機材料化学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
松田 元秀 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (80222305)
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研究分担者 |
鈴木 達 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 電子・光機能材料研究センター, グループリーダー (50267407)
下條 冬樹 熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 教授 (60253027)
永井 杏奈 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 助教 (30910400)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2023年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 9,880千円 (直接経費: 7,600千円、間接経費: 2,280千円)
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キーワード | 混合導電性酸化物 / 酸素透過性 / 配向体作製 / 磁場配向 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、申請者が現在取り組んでいる結晶磁気異方性に基づく配向制御プロセスにより擬単結晶的な配向組織混合導電性酸化物多結晶体を作製し、過去に実施例がない、同一試料上で酸素透過動力学パラメータ(体積拡散係数、粒界拡散係数および表面交換係数)の検討を行う。検討結果から、表面露出結晶面、配向組織および組成の違いが酸化物イオンの拡散性および材料表面での酸素/酸化物イオン交換反応性に与える影響を明らかにする。さらに第一原理計算による理論的な考察を加え、「優れた選択的酸素高透過性を導く材料組織の設計指針」を纏めるとともに、その指針に沿う材料創製を具現化させる。
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研究実績の概要 |
研究計画の2年目となる昨年度は、一昨年度に得た研究実績および研究着手前に立案した研究計画に基づき、高い酸素透過性が期待できる系として引き続きRuddlesden-Popper型Ni基層状ペロブスカイト化合物(Lnn+1NinO3n+1, Ln = La, Pr and Nd)を中心に種々の検討を進め、(1)n=1のNd2NiO4のNiサイトへのCoの導入は酸化物イオンの拡散性を向上させ、その効果はペロブスカイト層と岩塩層が積層したc軸方向で顕著なことに加え、(2)n=1以外の系として緻密体作製が困難とされるn=2のNd1.5Pr1.5Ni2O7で、常圧下でのプロセッシングで緻密体の作製が可能であること、(3)合成例が少なく単相合成が容易でないとされているn=3のPr4Ni3O10で、Lou らが他の系において有用性を示すプロセスを用いて100時間程度の酸素気流中での熱処理で単相試料が合成できること、といった新しい知見も見出されている。既報を見てもn=1以外の系の研究は十分に実施されているとは言い難く、現在本研究では、n=2系の基礎物性評価用として、検討組成物質の結晶磁気異方性を明らかにしながら磁場配向プロセスを用いて任意の配向性を持つ緻密体の作製に取り組んでいる。一昨年度に得た研究実績を基に、n=2系に対しても組成制御を介しながら種々検討を行い、nの違いつまり岩塩層間に挟まれたc軸方向に沿ったペロブスカイト層数が異なる系が示す物性値(酸素透過動力学パラメータ)の比較検討に取り組む準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
混合導電性化合物が示す酸素透過性は酸化物イオンの拡散性と材料表面で生じる交換反応性によって大きく支配される。本研究実施により、結晶構造内へのCoの導入が酸化物イオンの拡散性を高めることが明らかになったとともに、Ruddlesden-Popper型Ni基層状ペロブスカイト化合物の他の種で作製困難とされているn=2やn=3系の緻密体や配向体を得ることに成功し、本研究で目指す「優れた選択的酸素高透過性を導く材料組織の設計指針」に対し有益な知見を得ているとともにさらに詳細な検討の実施も期待できることから、現在までの進捗状況を(2)おおむね順調に進展していると判断している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、これまでの検討結果を踏まえ、n=2やn=3系に対してもCoを積極的な導入する組成系を中心に検討を進めるとともに、昨年度と同様に表面交換性を高める構造的因子の探索を積極的に行う。
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