研究課題/領域番号 |
21H02031
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分36010:無機物質および無機材料化学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
中西 貴之 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 電子・光機能材料研究センター, 主任研究員 (30609855)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
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キーワード | 蛍光体 / 希土類 / 配位結晶 / 刺激発光性 / 配位化合物 / 刺激発光 / 希土類配位蛍光体 / 単粒子解析 / 発光 / 力学刺激発光 |
研究開始時の研究の概要 |
刺激発光は破壊など力学刺激により結晶固体が発光する現象である。ここではソフトな希土類配位結晶が示す刺激発光体の学理と材料化に向け、”一粒の結晶粒子”に注目した顕微単粒子分光解析を取り入れた学術研究を進め、その特異現象の原理解明と材料設計指針を明確する。具体的には、希土類配位化合物の単結晶を用いた顕微単粒子診断解析により、結晶構造および刺激発光を含めた光物性、破壊に関する機械特性を系統的にデータ収集し、その特徴量に用いて体系化する。また超音波ミスト合成法を運用して、新規の希土類配位結晶を多数見つけてその評価を進め質と量を揃えた物質創製研究を行う。
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研究成果の概要 |
本研究の主目的は、強力な『力学刺激発光を示す希土類配位結晶』の設計指針を明らかにする材料学理の構築を行うことである。力学刺激発光を示す配位化合物の結晶に対して詳細な分光測定/解析を行い、その特異現象の光物理と刺激発光性を創出する物質設計の実証と材料化学深化を目的に研究を行なった。具体的には顕微レベルの分光測定装置を立ち上げ、粒子からの可視刺激発光測定と放射速度定数解析に必要な刺激蛍光寿命τ/s測定および解析を行った。その結果、実際の放射速度定数の値が光励起による放射および非輻射の速度定数と大きく異なる値を示すことを単結晶粒子を用いた解析で明らかにすることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では希土類配位結晶が示すユニークな光機能の解明を目指す。立ち上げた測定システムの本格運用と多角的な見地からポリマー結晶や単核錯体など多くの刺激発光体の合成、評価を進めた。その結果、温度等のパラメータの違いに対して刺激発光励起と光発光励起の本質的な物理過程に違いがあることを見出すことができた。またりん光発光性の刺激発光体としてGdを用いた配位結晶による検討の結果、刺激発光の励起寿命時間の方が一様に長くなることがわかり、刺激発光の起源には有機配位子側の励起状態の寄与が深く関わっていることが明確にできた。本研究により新たな価値が付与された新しい光機能材料の開発が進むと考えている。
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