研究課題/領域番号 |
21H02044
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分36020:エネルギー関連化学
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
犬飼 潤治 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (70245611)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2022年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2021年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
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キーワード | AEMFC / CARS / 水の定量 / 水の同定 / AEM / 振動分光 / Raman / 発電 / 水分子 / 時間・空間分布 |
研究開始時の研究の概要 |
アニオン交換膜(AEM)内部に存在する異なった水素結合をもつそれぞれの水分子を、申請者が開発した顕微光学系を備えたコヒーレントアンチストークスラマン散乱(CARS)分光装置(深さ分解能 1 um、時間分解能 0.5 s)を用いて解析する。 1年目は、装置改良後、AEMFC定常発電中のAEMおよび水の分子振動をCARS分光によって測定する。 2年目は、電流密度ジャンプ法などによるAEM内部の水分子ダイナミクスを、高時間分解能で解析する。 3年目は、系統的に合成されたAEMの詳細な解析により発電中のアニオン導電性向上のメカニズムを探り、発電状態で高アニオン導電性を有する新規AEMを合成する。
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研究実績の概要 |
AEMFCにおいては、酸素極で水分子が使用され、水素極で水分子が生成する。したがって、PEMFCに比べると、水素極で水量が圧倒的に多くなり、特異な反応分布を生じる。性能・耐久性向上には、それぞれの材料の特性を向上させるとともに、発電中燃料電池内部の物理・化学パラメータが、実測されなければならない。 本研究では、AEMに使用可能なCARSシステムを立ち上げ、時間分解能1 s、空間分解能5 umで、AEM内部の水を同定しかつ分布を定量することに、世界で初めて成功した。 OH 振動モードは 9 つの固有のバンドにデコンボリューションされた。すべての水素結合 OH 種は湿度の増加とともに増加し続けたが、CH および非水素結合 OH は、一定のままであった。これにより、イオン伝導性を改善し、AEMFC が直面する継続的な耐久性の課題を効果的に解決するための必須の前提条件を提出することに成功した。 定常状態の動作中、アノード側の水は電流密度とともに増加した。カソード側および膜の中心では、水は最初は電流密度とともに減少し、その後アノード側よりも遅いペースで増加し始めまた。CARS スペクトルの OH ピークを 9 つの種にデコンボリューションしたところ、H 結合した水の種のみが変化し、残りの種にはほとんど変化がなかった。過渡的な研究により、電流ジャンプを適用してから 5 秒後に水の分布が最大に増大することが明らかになった。電流ジャンプを加えた後、水の分布は 20 秒以内に安定した。アノード側の電流ジャンプに対する応答は、カソードの応答とは逆であった。 これらの結果は、さまざまな AEMFC における水の分布に関する広範な動的研究への道を開き、新たな膜の合成指針を得ることにつながった。
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現在までの達成度 (段落) |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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