研究課題/領域番号 |
21H02084
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38010:植物栄養学および土壌学関連
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
鈴木 雄二 岩手大学, 農学部, 教授 (80374974)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 10,790千円 (直接経費: 8,300千円、間接経費: 2,490千円)
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キーワード | 光合成 / カルビンサイクル / 遺伝子組換え / イネ / 炭酸同化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、光合成炭酸同化を担うカルビンサイクルにおいて、Rubiscoによる炭酸固定からトリオースリン酸の生成までの一連の反応を強化することで、光合成能力およびバイオマス生育量の増大およびこれらの窒素利用効率の改良をねらう。このため、該当するカルビンサイクル酵素を増強したイネを交配し、作製したイネについて上記の解析を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では光合成及び個体生産性の窒素利用効率の改良を目指した。このため、イネを材料とし、光合成炭酸同化系において、炭酸固定からトリオースリン酸生成までの代謝経路を強化することとした。まず、炭酸固定の下流の反応について検討し、代謝の強化ポイントとなる酵素を特定した。さらに、過去に効果的だった酵素も加え、この経路における酵素を三重同時増強したものの、光合成とその窒素利用効率に大きな影響は見られなかった。その理由は、炭酸固定の下流の酵素を二重増強しても、この経路の代謝亢進が十分ではなかったことにあると考えられた。今後は、この経路で要求されるATPやNADPHの供給能力も強化する必要がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の最終的な目的は果たせなかったが、今後の光合成炭酸同化系の強化ポイント特定に有用な情報を提示することができた。方法的には、光合成炭酸同化に関与する酵素の三重増強という世界的に類を見ない試みがなされ、本研究の独自性となっている。また、これまでの光合成に関する常識を覆す結果等も得られている。例えば、これまでは光合成にとって大過剰に存在するとされてきた酵素が、実際には大過剰ではなく光合成をある程度律速しうるものであった。以上から、本研究の成果は、光合成炭酸同化の研究において、世界的にみても貴重なものとなっている。
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