研究課題/領域番号 |
21H02095
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
竹下 典男 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (20745038)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 11,570千円 (直接経費: 8,900千円、間接経費: 2,670千円)
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キーワード | 微生物 / 糸状菌 / 細菌 / 相互作用 / 共生 / 選択性 / 微生物社会 / 二次代謝 |
研究開始時の研究の概要 |
糸状菌と細菌は自然界に広く存在する微生物で、特に土壌中のバイオマスの大部分を占める。土壌のように水分の限られた環境では、細菌は糸状菌の菌糸上を移動し拡散することが 明らかとなってきた。一方、細菌が糸状菌にビタミンB1を与えて菌糸生長を促すことを発見し、空間的かつ代謝的な相互作用の組合せにより細菌と糸状菌が生存空間を拡大するという 新しい相利共生モデルを提唱した。これまでに、土壌に生育する細菌30種と糸状菌30種の組合せの共培養の解析により、相互作用における種の選択性を明らかにした。本研究では、この種の選択性に関わる分子機構を解明する。
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研究実績の概要 |
糸状菌と細菌は自然界に広く存在する微生物で、特に土壌中のバイオマスの大部分を占め る。土壌のように水分の限られた環境では、細菌は糸状菌の菌糸上を移動し拡散することが 明らかとなってきた。一方、細菌が糸状菌にビタミンB1を与えて菌糸生長を促すことを発見 し、空間的かつ代謝的な相互作用の組合せにより細菌と糸状菌が生存空間を拡大するという 新しい相利共生モデルを提唱した。土壌に生育する細菌30種と糸状菌30種の組合せを寒天最少培地上の同一点に植菌し、共培養した。全ての組合せ900通りの共培養を顕微鏡で観察した。細菌が菌糸に沿って移動する、あるいは付着して増殖するものをBP (bacteria positive)とし、菌糸に細菌が近付かないものをBN (bacterial negative)とし、細菌が菌糸に顕著 に近づいたり離れたりしないものをニュートラルと定義した (図4)。一方、糸状菌は単独培 養と各細菌との共培養でコロニーの大きさを比較し、糸状菌の増殖が促進するものをFP (fungal positive)とし、糸状菌の増殖が抑制されるものをFN (fungal negative)とし、コロニーサ イズに顕著な違いがないものをニュートラルと定義した。これの解析により、相互作用における種の選択性を明らかにした。表現型が顕著な組み合わせを選抜し、それぞれのトランスクリプトーム解析を行った。同一の糸状菌と5種の異なる表現型を示す細菌との共培養におけるトランスクリプトームの比較解析により、細菌による糸状菌の応答の特異性と普遍性を明らかにした。異なる糸状菌と細菌の組み合わせのトランスクリプトーム解析の結果を比較することで、細菌に対する糸状菌の応答の特異性と普遍性を明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
目的としたトランスクリプトーム解析をいくつか行えたが、データ解析に時間を要し、次に必要なトランスクリプトーム解析を選抜するのに時間がかかった。
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今後の研究の推進方策 |
同様の組み合わせで、細菌側のトランスクリプトーム解析、比較解析を行い、糸状菌と細菌の相互作用における両者の応答を明らかにする。
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