研究課題/領域番号 |
21H02109
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
西田 洋巳 東洋大学, 食環境科学部, 教授 (60301115)
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研究分担者 |
小柳 喬 石川県立大学, 生物資源環境学部, 准教授 (20535041)
戸田 弘 富山県立大学, 工学部, 講師 (60608321)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2022年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2021年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
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キーワード | 日本酒造り / 清酒酵母 / 蔵付きバクテリア / コクリア / 微生物間相互作用 / 日本酒の味と香り / 共培養 / 試験醸造 / 日本酒の味 / 蔵付きKocuria / 蔵付きBacillus / 蔵付きPriestia / 相互作用 / 味と香り / 日本酒成分組成 / 遺伝情報水平伝播 / 微生物生態進化 |
研究開始時の研究の概要 |
日本酒造りにおける微生物の機能は、麹菌による酒米の糖化および酵母によるエタノール発酵が知られている。また、生もと造りでは、混入する乳酸菌による乳酸産生を利用し、酵母のエタノール発酵の効率化を行っている。また、乳酸菌の一部は20%エタノール濃度でも増殖でき、日本酒を腐造させる(火落ち)。そのため、日本酒造りにおけるバクテリアの研究は乳酸菌が中心となっている。私たちは、成政酒造(富山)の蔵付きバクテリアとしてコクリアを複数株単離した。分離株は種レベルで異なっており、コクリアの集団として日本酒造りにかかわっている可能性が高い。日本酒造りにおける蔵付きバクテリアの機能を解明することを研究目的とする。
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研究成果の概要 |
日本酒造りにおける蔵付きバクテリアの機能を明らかにするため、成政酒造(富山県南砺市)の蔵付きKocuria TGY1120_3株およびTGY1127_2株、白木恒助商店(岐阜県岐阜市)の蔵付きBacillus A-10株およびPriestia B-12株を用いて清酒酵母(AK25株、K901株、K1401株、K1801株)との共培養実験および実際の日本酒造りにおける試験醸造を行った。その結果、酸味、旨味、旨味コクが清酒酵母の菌株の違いでも蔵付きバクテリアの菌株の違いでも影響を受けた(p < 0.05)。さらに、蔵付きバクテリアによって清酒酵母の遺伝子発現が影響を受けることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
長年にわたって酒蔵に棲みつき、その酒蔵での日本酒造りにおいて必然的に混入する微生物が存在している。これまで日本酒造りにおける主役である清酒酵母だけが重視されてきた。例えば、限られた酒蔵における蔵付き酵母は優良株として、日本醸造協会が維持、管理、販売してきた。しかし、バクテリアなどその他の多くの微生物は無視され、研究対象にもされてこなかった。私たちは、蔵付きバクテリアを日本酒造りの過程から分離、同定し、それらの機能を明らかにした。本研究成果は、蔵付きバクテリアが清酒酵母と相互作用し、日本酒の味や香りに影響することを示す。この成果は、これまでになかった日本酒造りにつながると期待できる。
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