研究課題/領域番号 |
21H02132
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38040:生物有機化学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
水谷 正治 神戸大学, 農学研究科, 教授 (60303898)
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研究分担者 |
串田 篤彦 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター, チーム長 (40355459)
坂田 至 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター, 研究員 (80807404)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2021年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | シストセンチュウ / ジャガイモ / トマト / 孵化促進物質 / ソラノエクレピン / ノルトリテルペノイド / ジャガイモシストセンチュウ / 毛状根 |
研究開始時の研究の概要 |
ジャガイモシストセンチュウ(Potato Cyst Nematode: PCN)はナス属作物の根に特異的に寄生して大幅な減収を引き起こす最重要害虫である。シスト内のPCN卵は寄主作物の根から分泌される孵化促進物質(Hatching Factor: HF)を特異的に感知して孵化する。これまでの申請者の研究結果から、ソラノエクレピンA (SEA)とは異なる未知HFの存在が示唆された。本研究では、①新奇HFの単離構造決定、②HF生合成系の解明、③ジャガイモシストセンチュウに対する新奇防除技術の確立、④HF生合成の生理的意義の解析、の4つの研究項目について研究を行う。
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研究成果の概要 |
ジャガイモシストセンチュウ(PCN)は、世界中で甚大な作物被害をもたらしている。PCN卵の孵化には、宿主植物の根から分泌される孵化促進物質(HF)が必要である。ジャガイモから単離されたソラノエクレピンA(SEA)は、PCNに対して最も活性なHFであるが、その生合成は全く不明であった。我々は、新規HFとしてソラノエクレピンB(SEB)を単離構造決定し、SEBが植物体内で生合成され、土壌微生物によりSEAへ変換されることを示した。さらに、トマトから5つのSEB生合成遺伝子を同定した。各遺伝子を破壊したトマト毛状根からの滲出液はSEBを含まず、PCNに対する孵化刺激活性も低かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により孵化促進物質を生産せずシストセンチュウを孵化させない新たな品種の育成への道を切り開くことができる。またさらに生合成遺伝子を明らかにすることで、孵化促進物質を多量に異種生産させることが可能となり、宿主不在時にシストセンチュウを孵化させて餓死させる自殺孵化剤として利用できる可能性がある。本研究成果は、地球規模で食糧生産を損なっているジャガイモシストセンチュウ類による被害を軽減し、作物の生産能力を十分に発揮させる研究へと発展できると期待される。
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