研究課題
基盤研究(B)
妊娠期の栄養の悪化は、子の出生後の生活習慣病のリスクを上げることが明らかになってきている。本研究では、高血圧モデルのラットを用いて、妊娠中の食餌タンパク質の不足が子の遺伝子の状態をどのように変えるかを詳細に明らかにする。具体的には、胎児において様々な遺伝子のDNAにメチル化と呼ばれる修飾が起こり、それが出生後にも維持されて疾患のリスクに繋がることを示してきたが、今回はこの修飾のされかたをより詳しく調べて、妊娠中の栄養が子の健康に及ぼす影響についての情報を明確にすることを明らかとする。
妊娠期の栄養状態は、胎児の成長後の疾患リスクに強い影響を及ぼす。これはDNAなどに分子が付加されるエピジェネティックな変化で説明されることが多い。妊娠期にタンパク質が少ない餌を摂取した高血圧モデルラットでは、子の血圧上昇がさらに悪化することを明らかにしてきた。本研究では、妊娠期低タンパク質食でどのような遺伝子が影響を受けるかをさらに広範に調べるとともに、その機構や出生後の食事による回復について深い理解を目指した。
妊娠期の栄養状態が子の成長後の健康に強いインパクトを及ぼすことがわかり、社会的に大きな問題となっている。本研究では、高血圧のラットが妊娠中にタンパク質が少ない餌を摂取すると、高血圧が悪化することについて、その機構の一端を明らかにした。妊娠中のタンパク質栄養の悪化による悪影響は、生後のタンパク質栄養を変化させることによってある程度改善できることを示し、妊娠期と出生後の栄養状態の相互作用を明確にしたものである。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件)
Foods
巻: 11 号: 5 ページ: 753-753
10.3390/foods11050753
Food Sci. Nutr.
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