研究課題/領域番号 |
21H02137
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
片山 茂 信州大学, 学術研究院農学系, 教授 (30443922)
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研究分担者 |
佐藤 里絵 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品研究部門, 上級研究員 (10399371)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2021年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
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キーワード | 食物アレルギー / ペプチド / リン酸修飾 / IgA / ソバ / ソバアレルギー / 樹状細胞 / アレルギー / リン酸化 / IgA抗体 |
研究開始時の研究の概要 |
食物アレルギーを根治できる治療法として「食べて治す」減感作療法が確立されたが、耐性が獲得されない事例や重篤な副作用のリスクも高く、完成の域には達していない。申請者は耐性を獲得しにくいソバアレルギーに着目し、原因タンパク質(Fag e 2)のリン酸修飾体がアレルギー性を低減させること、その消化物に含まれるリン酸化ペプチドが腸管でのIgA抗体の産生を亢進させ、動物モデルのアレルギー症状を抑制させることを見出した。本研究では、IgA産生を増強させる食品由来リン酸化ペプチドをリン酸修飾Fag e 2の消化物から探索し、得られたリン酸化ペプチドが普遍的に食物アレルギーを軽減することを動物実験で証明する。
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研究成果の概要 |
本研究では,ソバアレルゲンタンパク質のリン酸修飾体からリン酸化ペプチドを設計し,これらのペプチドのIgA産生促進によるアレルギー症状の緩和に寄与する可能性を検証した。リン酸化Fag e 2(P-Fag e 2)のリン酸化部位は質量分析で特定した。また,P-Fag e 2の消化により生じるペプチドからリン酸基を2箇所以上含むペプチドを選定し,IgA産生を促進するリン酸化ペプチドを特定した。さらに,P-Fag e 2は樹状細胞のTLR-5を介してIL-6およびTGF-β産生を促進すること,また,Treg分化を誘導し,B細胞のIgAクラススイッチを促進し,IgA産生を増加させることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究のリン酸化ペプチドは,IgA産生増強による腸管免疫力の強化を可能にし,従来の治療法とは異なる革新的アレルギー治療剤の開発が期待される。学術的意義としては,アレルゲンタンパク質のリン酸修飾とIgA産生の関係についての理解が深まり,アレルギー研究への貢献が挙げられる。また,安全性の高いアレルギー治療法の開発により,患者の生活の質(QOL)向上に貢献することが期待される。さらに,この技術は食物アレルギーに限らず,他のアレルギー性疾患や免疫疾患の治療法にも適用できる可能性が見込まれる。
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