研究課題/領域番号 |
21H02150
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38060:応用分子細胞生物学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
山口 淳二 北海道大学, 理学研究院, 特任教授 (10183120)
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研究分担者 |
佐藤 長緒 北海道大学, 理学研究院, 准教授 (50609724)
高木 純平 北海道大学, 理学研究院, 助教 (80740331)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2021年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
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キーワード | 環境応答 / 環境ストレス / 植物 / 翻訳後修飾 / 膜交通 |
研究開始時の研究の概要 |
植物は,生育環境の栄養条件に応じて代謝,成長を巧みに制御しながら生存している。特に,細胞内で利用可能な糖(炭素源,C)と窒素(N)の相対量比(C/Nバランス)は重要であり,植物はそれを感知し適応する「C/N応答」能力を有している。C/Nは,古くから植物生理学における重要なコンセプトであり,農業現場での具体的な作用点として注目されてきた。その一方で,C/N応答を制御する上流シグナル機構や代謝変動を担う分子実態については,長年謎に包まれたままである。本研究では,細胞内の膜交通制御による栄養ストレス適応という新たな視点から,植物の優れた環境ストレス応答を支える分子機構を解明する。
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研究実績の概要 |
本研究では,「膜交通制御による植物の栄養ストレス適応」という独自の視点から植物の優れた環境ストレス応答を支える分子機構を解明することを目指している。申請者らは,糖(炭素,C)と窒素(N)栄養バランスである「C/Nバランス」の乱れに起因するストレス応答制御因子として膜局在型ユビキチンリガーゼATL31を単離し,それまで未知であったC/N応答シグナルの根幹を担う分子基盤を明らかにしてきた。また,C/N応答に関与する膜交通制御因子としてTGN局在型SNAREタンパク質を同定しており,そのユビキチン化修飾を見出している。さらに,C/Nストレスに応答したリン酸化プロテオーム解析から,新たなC/Nストレス応答制御因子の候補を得た。本研究では,こうした知見を基に,翻訳後修飾による細胞内膜交通システムの制御という観点で,植物のC/N栄養ストレス応答機構の解明を目指している。以下4つの研究課題を実施する。 計画 1)C/Nに応じたSNAREユビキチン化の解析 計画 2)C/N応答性輸送体の同定と代謝変動の解析 計画 3)新規C/N応答性膜交通因子の機能解析 計画 4)C/N環境ストレス下における膜交通因子の生理機能解析 当該年度は,TGN局在型SNAREであるSYP61について,C/Nストレス応答における生理機能およびC/Nに応答したユビキチン化変動を明らかにした。また,SYP61がATL31の細胞内局在制御にも関与することを見出した。加えて,リン酸化プロテオーム解析から得られた候補因子の変異株を用いた解析から,新たにC/N応答制御に関わる膜交通因子を同定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題を構成する各実験課題に関して,いずれも進捗が見られた。 先行して研究が進んでいたTGN局在型SNARE SYP61タンパク質については,その機能の新たな一面を明らかにし,論文発表した。
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今後の研究の推進方策 |
これまで得た知見をもとに,より詳しい解析を進めていく。特に,新たに単離したC/N応答関連膜交通系因子について,その生理機能および分子機能についてより詳しい研究を行っていく。
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