研究課題/領域番号 |
21H02155
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38060:応用分子細胞生物学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高橋 和利 京都大学, iPS細胞研究所, 准教授 (80432326)
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研究分担者 |
岩崎 未央 京都大学, iPS細胞研究所, 講師 (10722811)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2022年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
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キーワード | 環状RNA / 非標準的翻訳 / 多能性幹細胞 / 翻訳 / リボソームプロファイリング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、mRNAのスプライシング時に副産物として生成される環状RNA (circular RNA: circRNA) がタンパク質に翻訳され、生理学的な役割を持つことを証明する。circRNAの接合部位配列はゲノム上に存在しないため、従来のゲノミクスをベースとした手法では解析が困難であり、その機能についてはほとんど知られていない。 そこで本研究では、従来見過ごされてきたcircRNA由来翻訳産物を同定することで現行タンパク質カタログを大幅に拡張する。これをもとに機能的スクリーニングを行い、ヒト分化多能性幹細胞の性質に重要な役割を果たしているcircRNAを同定する。
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研究成果の概要 |
本研究では、これまで見過ごされてきた環状RNAとその翻訳産物を同定することを目的に、環状RNAのマッピングと解析パイプラインの構築を行った。ヒト多能性幹細胞株で発現する環状RNAは約6700種類であった。これらの環状RNAが翻訳されているかを調べるために、ヒト多能性幹細胞で翻訳されている領域の同定を行った。その結果、約28000か所の翻訳領域を同定し、既知のCDSが約60%、既知CDSのバリアントが約20%で、残りの約20%が新規の翻訳領域であることを明らかにした。以上のように本研究では、多能性幹細胞で発現する環状RNAのマッピングと翻訳解析への足掛かりとなる基盤データを得ることに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
真核生物における環状RNAはこれまで存在は示されているが、翻訳に関する報告は少ない。多くが環状RNAを癌や疾患などのバイオマーカーまたは機能性RNAとして報告しているのみであった。近年になり、環状RNAが翻訳されていることを報告した論文が出始めている状況である。本研究は多能性幹細胞で発現する環状RNAを網羅的に同定した。さらに多能性幹細胞における翻訳領域を決定した。今後この基盤データを利用することで、既存のプロテオミクスデータは大幅に拡張され、生命現象を理解するうえで必要な新規分子が同定できると期待される。
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