研究課題/領域番号 |
21H02157
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38060:応用分子細胞生物学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
山田 晃嗣 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(生物資源産業学域), 准教授 (40587672)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
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キーワード | 植物免疫 / 糖 / 植物 / 免疫応答 / 糖シグナル |
研究開始時の研究の概要 |
植物は強固な免疫システムを持ち、病原体の感染を防いでいる。しかし、植物の免疫制御機構はいまだ不明な点が多い。本研究者は、植物の免疫機構のさらなる理解を目指し、これまでに免疫機構との関連性が解析対象として捉えられていなかった糖吸収に焦点をあてて研究を展開してきた。そしてその過程において「糖は免疫応答を増強する働きがある」ことを見出している。そこで本研究では、シグナル分子としての糖の役割に着目し、糖シグナルと免疫応答のクロストークの分子機構の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
植物の免疫応答に関与する遺伝子/タンパク質が数多く単離されているが、細胞内環境などがどのように免疫応答に作用するするかは不明な点が多い。本研究では、細胞内の糖が植物の免疫応答に影響を与える分子機構について解析した。グルコースは細胞内でヘキソキナーゼによってリン酸化され、グルコース6リン酸(G6P)となる。G6Pはタンパク質脱リン酸化酵素ABI1の活性を抑制し、その結果ABI1が抑制しているタンパク質リン酸化酵素CPK5の活性が増強され、免疫応答の活性化に繋がることを見出した。本結果より、細胞内の代謝物によって免疫応答が制御されていることと、その分子機構の一端が明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
植物は階層的で複雑かつ強固な免疫ネットワークを備えていることが近年の研究から明らかにされており、それらの知見を利用した耐病性育種も行われている。しかし植物の免疫応答の強度は様々な要因によって影響を受けており、安定的に高い免疫活性を維持させることは難しい。本研究では、細胞内の糖が免疫応答に作用する分子機構を明らかにした。本結果より、植物の免疫応答を強化させるためには、抵抗性遺伝子などの導入のみならず、免疫応答に適した細胞内環境を整える必要があることが示唆された。
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