研究課題/領域番号 |
21H02183
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39030:園芸科学関連
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
中塚 貴司 静岡大学, 農学部, 教授 (60435576)
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研究分担者 |
富永 晃好 静岡大学, 農学部, 助教 (50776490)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
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キーワード | 花卉園芸 / 突然変異 / ゲノム育種 / 遺伝子組換え / ストック / ゲノム編集 / 花型 |
研究開始時の研究の概要 |
ストックは、冬季に加温を必要としない「省エネ花卉」として注目されている。本研究の目的は、遺伝子解析、突然変異、遺伝子組換え技術を組み合わせ、ストックの新しい遺伝資源を作出することである。学術情報を参照し、花型や草姿、花色に関する遺伝子をウイルスベクターを用いてノックダウンし、その表現型からストックの花形質改変にとって有用な遺伝子を特定する。また、重イオンビーム突然変異体からの選抜やゲノム編集により、実用的な育種素材を開発する。さらに、ストック栽培で解消が望まれる八重選抜を不要とする育種素材も開発する。これらの研究成果は、ストックの国内育種の活性化と、需要拡大に繋がることが期待できる。
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研究実績の概要 |
ストックは、冬季に加温を必要としない「省エネ花卉」として注目されている。この栽培上の利点を生かしたうえで、バラやカーネーションのように広い消費者に魅力ある花形質を有する品種を開発することが求められている。本研究の目的は、遺伝子解析、突然変異、遺伝子組換え技術(ゲノム編集)を組み合わせ、ストックの新しい遺伝資源を作出することである。シロイヌナズナ変異体の学術情報を参照し、花型や草姿、花色に関する遺伝子をウイルスベクターを用いてノックダウンし、その表現型からストックの花形質改変にとって有用な遺伝子を特定する。特定した遺伝子変異を重イオンビーム突然変異体からの選抜やゲノム編集により、実用的な育種素材を開発する。 初年度に確立したストックの形質転換法を用いて、CLV3、SUPなどのゲノム編集個体の作出を行い、複数の抗生物質耐性系統を取得した。また、形質転換効率を改善するために、シュートおよび発根誘導条件を検討した。 ストック品種をGRAS-Di法でジェノタイピングを行った。その結果、一重咲きおよび八重咲き個体間で差異がみられるストックゲノムとして、4つのスキャホールドが抽出された。そのゲノム配列上にヘテロ性を示す遺伝子が複数存在し、それらの遺伝子がエバースポーティングや八重選抜に関連した遺伝子と推定し、詳細な解析を行っている。 重イオンビーム照射したストック集団の中から、花弁細状化変異個体についてその形質特性や変異原因について推定し、植物ホルモンが関与している可能性を示唆した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
花型改編を目指した形質転換体やゲノム編集個体を複数取得し、表現型の評価を開始したため。
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今後の研究の推進方策 |
得られたゲノム編集個体の遺伝子変異を解析し、ノックアウト個体の取得を目指す。今年度中に開花させ、その表現型の評価を実施する。ストックのエバースポーティングや八重選抜に関与した形質の原因遺伝子候補について、品種間の遺伝子多型や形質転換体を用いて詳細な解析を行う。また、これまでに得られた成果については、学術論文として報告する。
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