研究課題/領域番号 |
21H02190
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39040:植物保護科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
増田 税 北海道大学, 農学研究院, 教授 (60281854)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
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キーワード | OYDV / LYSV / HC-Pro / アブラムシ / Stylin / 進化 / ポティウイルス / アブラムシ伝搬 / ニンニク / virus / garlic / ウイルス |
研究開始時の研究の概要 |
北海道産ニンニクには2つのpotyvirus、ネギ萎縮ウイルス(OYDV)とリーキ黄色条斑ウイルス(LYSV)が混合感染している。OYDVのアブラムシ伝搬に必須のタンパク質HC-Proのシーケンスを解析したところ、N末端に大きな欠失があり、北海道産OYDVはアブラムシ伝搬能を失っているものと推測された。研究代表者は、OYDVはアブラムシ伝搬をLYSVに依存しているのではないかという仮説を持った。アブラムシがウイルスを獲得するには、CP-HC-Pro複合体がアブラムシの口針のStylin受容体に結合できるのではないかと想定され、この結合の存在の有無を明らかにする。
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研究成果の概要 |
ニンニクにはポティウイルス、タマネギ萎縮ウイルス(OYDV)とリーキ黄色条斑ウイルス(LYSV)が混合感染している。本研究では、欠損HC-Proを生産する OYDVのアブラムシ伝搬が、LYSVのHC-Proに依存していることを証明した。また、欠損HC-Proは、アブラムシの口針タンパク質StylinやRRIと結合できないことをin vitro結合試験で明らかにした。HC-Proは、また、RNA silencing suppressor (RSS)でもある。LYSVのバイオインフォマティクス解析によって、OYDVにとって欠損HC-Proを作り出したことは、進化にむしろ有利に働いたと結論した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ニンニクに感染するポティウイルス(OYDVとLYSV)はアブラムシで周囲に伝搬される。北海道産ニンニクに検出されるOYDVは、アブラムシ伝搬能を喪失しており、この原因はHC-Proタンパク質のN末端にあるアミノ酸配列の欠失と考えられた。本研究では、「OYDVがアブラムシ伝搬をLYSVに依存していること、そしてそのメカニズム」を分子生物学的手法によって証明した。この知見によりニンニクのウイルスフリー化には、LYSVの除去が一義的に重要であると言える。すなわち、本研究成果は、北海道における今後のウイルスフリー化とニンニク収量増に大きく貢献するものと言える。
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