• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

アミノ酸を介した植物保護細菌の新規二次代謝制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21H02200
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
審査区分 小区分39040:植物保護科学関連
研究機関国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構

研究代表者

竹内 香純  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 上級研究員 (40370663)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
14,950千円 (直接経費: 11,500千円、間接経費: 3,450千円)
2023年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2022年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2021年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
キーワード植物保護細菌 / 二次代謝制御 / シグナル物質 / 比較トランスクリプトーム解析 / 根圏微生物 / 抗菌性物質 / アミノ酸 / 遺伝子発現制御 / トランスクリプトーム解析
研究開始時の研究の概要

植物の根圏には病原微生物のほか、それらを抑制する有用微生物が生息する。本研究では、抗菌性物質により病原微生物を抑制する特徴をもつ植物保護細菌Pseudomonas protegensの機能解明を行う。研究代表者はこれまでに、調節型small RNAを中心とした制御機構による抗菌性物質の産生メカニズムを明らかにした。一方、この制御機構とは独立して、アミノ酸が関与する新たな制御機構の存在が示唆されている。本研究では各種アミノ酸処理時の植物保護細菌における網羅的遺伝子発現解析(比較トランスクリプトーム解析)に基づき、当該制御因子の同定を行うとともにその機能を明らかにする。

研究実績の概要

植物の根圏に生息する非病原性Pseudomonas属細菌Pseudomonas protegensは、周囲の病原微生物との競合に強く土壌病害を抑制する特徴を有することから植物保護細菌とよばれる。P. protegensは多様な二次代謝産物を産生しており、このことが自身の根圏における優勢化に寄与する。研究代表者はこれまでに、調節型small RNAを中心とした制御機構による抗菌性物質の産生メカニズムを明らかにし、一次代謝産物がシグナル物質として機能することを見出した。一方、この制御機構とは独立して植物保護能力に影響を及ぼすアミノ酸を同定しており、新規制御機構が存在することが示唆されている。本研究では植物保護細菌の包括的制御の実現に向けて、当該制御機構を明らかにすることを目的とする。
研究代表者はこれまでに各種アミノ酸処理下にて培養したP. protegens のRNA Seq解析のデータを取得している。初年度はそのデータ整備を進め、発現量が亢進する遺伝子、低下する遺伝子に二分し、さらにVenn diagramに基づき、各種アミノ酸処理時に共通して変動する遺伝子、特異的に変動する遺伝子のグループ分けを行った。特に植物保護効果との相関関係が明確であることが判明しているアミノ酸Aの処理時に発現量が低下する遺伝子グループを機能解析の対象とした。
令和4年度はアミノ酸Aの処理時に発現量に差異の見られた遺伝子のうち、植物保護能力への関与が予測されるものとして、鉄キレート剤であるシデロフォアの合成酵素遺伝子が含まれることを明らかにした。合成酵素遺伝子はクラスターを形成しており、関連する遺伝子の発現が一律低下していた。さらに、相同組換えにより主要な遺伝子の欠損変異株を作出した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初予定していたトランスクリプトーム比較解析および遺伝子の特定のいずれも順調に進めることができた。解析対象となる遺伝子群が多数の遺伝子からなるクラスターを形成しており、主要な遺伝子の特定に時間を要したが、文献等を参考に特定した。当該遺伝子の変異株の作出についても複数系統の取得に成功した。

今後の研究の推進方策

シデロフォアの定量法を確立するため、標準物質を用いHPLC解析に供する。検出に適した培養条件および抽出の条件についても検討し、まず野生株の培養上清より抽出を行いHPLC解析に供する。上記において特定した遺伝子の機能を確認するため、取得した欠損変異株についてもシデロフォア生産量を測定し、野生株との比較を行う。また、アミノ酸処理時の生産量の比較も行う。

報告書

(2件)
  • 2022 実績報告書
  • 2021 実績報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 産業財産権 (3件)

  • [雑誌論文] Glutamate positively regulates chitinase activity and the biocontrol efficacy of Pseudomonas protegens2023

    • 著者名/発表者名
      Kasumi Takeuchi, Masayo Ogiso, Tomohiro Morohoshi, Shigemi Seo
    • 雑誌名

      Molecular Plant-Microbe Interactions

      巻: - 号: 6 ページ: 323-333

    • DOI

      10.1094/mpmi-09-22-0178-r

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Identification of Pseudomonas strains for the biological control of soybean red crown root rot2022

    • 著者名/発表者名
      Win Khin Thuzar, Kobayashi Michie, Tanaka Fukuyo, Takeuchi Kasumi, Oo Aung Zaw, Jiang Chang-Jie
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 12 号: 1

    • DOI

      10.1038/s41598-022-18905-2

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] グルタミン酸はPseudomonas protegens CHA0のキチナーゼを正に制御する2023

    • 著者名/発表者名
      竹内香純、小木曽真佐代、諸星知広、瀬尾茂美
    • 学会等名
      令和5年度 日本植物病理学会大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] Versatile lifestyles of Pseudomonas protegens and the related strains2022

    • 著者名/発表者名
      Kasumi Takeuchi
    • 学会等名
      12th US-Japan Science Seminar on Plant-Pathogen Interactions
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 植物保護細菌によるダイズ茎疫病の防除効果に対するグルタミン酸の影響2022

    • 著者名/発表者名
      竹内香純、小木曽真佐代、姜昌杰、瀬尾茂美
    • 学会等名
      令和4年度 日本植物病理学会大会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] 根圏微生物による病害抑止機構2021

    • 著者名/発表者名
      竹内香純
    • 学会等名
      第3回 生物刺激制御研究会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [産業財産権] 植物の土壌伝染性病害防除方法2022

    • 発明者名
      竹内香純、瀬尾茂美
    • 権利者名
      竹内香純、瀬尾茂美
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      2022-078725
    • 出願年月日
      2022
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [産業財産権] 植物の土壌伝染性病害防除剤及び植物の土壌伝染性病害防除方法2021

    • 発明者名
      姜昌杰、キン トゥザー・ウィン、田中福代、竹内香純、小林光智衣
    • 権利者名
      姜昌杰、キン トゥザー・ウィン、田中福代、竹内香純、小林光智衣
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      2021-181826
    • 出願年月日
      2021
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [産業財産権] 植物の土壌伝染性病害防除剤及び植物の土壌伝染性病害防除方法2021

    • 発明者名
      姜昌杰、キン トゥザー・ウィン、田中福代、竹内香純、小林光智衣
    • 権利者名
      姜昌杰、キン トゥザー・ウィン、田中福代、竹内香純、小林光智衣
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      2021-181827
    • 出願年月日
      2021
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書

URL: 

公開日: 2021-04-28   更新日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi